-7年 食堂 4 ページ8
けれど、おかげで諸伏君と二人きりだ。
気がつくと周囲の席には誰も座っていなくて、私と彼だけ世界にぽっかりと切り離されたようになっている。
ひょっとして、昼休み開始直後に逃走した友人達も、陣平君が根回ししてくれていたのだろうか。
そんな疑惑が浮かんで、私はブンブンと首を振る。
それこそまさか、だ。
コミュ力おばけの研二君ならまだしも、手先は器用なくせに対人関係が壊滅的にダメな陣平君が、私のためにわざわざ女の子達に声をかけて、なんてありえない。
「Aさん」
「へぁっ！？ な、なあに？」
研二君と陣平君が裏で手を組んだのではないか、という嫌な予感がして──それでいてよぎった、時に私を異様なまでに甘やかしてくる二人ならありえる、という考えに私が一人ぶるりと震えていると、今まで斜め前に座っていたはずの諸伏君が、いつの間にか隣に立っていた。
「隣、お邪魔してもいい？」
「ひぇ、もちろんです」
思わず奇妙な悲鳴が飛び出した口を、私はパッと押さえる。
変な奴だと思われてはいないだろうか。
初対面の時は入学式の最中に自分のほうをじっと見つめてきていた謎の女、今日は陣平君にかまぼこを奪われたくらいでグチグチ言っている心の狭い女──しまった、文字にしたら碌な人間じゃない。
「ん？ どうした？」
「ひぁ、いいえ、何でもないです」
座っている私と目線の高さを合わせるように、諸伏君が私の傍らに膝をつく。
こてりと傾けられたご尊顔が思いの外近くにあって、私はつい後ろに体を引いた。
「そう？」
「そう、そうです」
眩しすぎる。
むぎゅ、と両目をきつく閉じてそう言うと、堪えきれなくなったようにフハッと口から空気が漏れる音がする。
そろりそろりと瞼を上げると、おかしそうに顔をクシャリと歪めた諸伏君が、お腹を抱えて笑っているのが見えた。
「あ、あの、諸伏君？」
「ああ、笑ってごめん。反応が、ちょっと面白くて……」
なんとか椅子に座った諸伏君は、ゆっくりと顔をこちらに向ける。
口の端がニヨニヨと動いているのは、きっと笑いの波を必死に堪えてくれているのだろう。
そんなに面白い反応をした覚えはないのだけれどな、と首を傾げていると、ようやく落ち着いたらしい諸伏君が声をかけてきた。
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真白(プロフ) - シンヤさん» わ〜！ありがとうございます！デートシーンを書くのに時間がかかっているせいで更新亀さんですが、良ければこれからもよろしくお願いします！ (11月15日 20時) (
レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています🥰 (11月15日 0時) (レス) @page12 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2023年9月13日 17時
