-7年 入校式 2 ページ4
「ん？」
降谷君の隣に座る、猫目の男の子がふとこちらを向いた。
あまりに私の視線がしつこかったのか何なのか、それはわからない。
しかし、彼は確かに私を見た。
目が合ってしまったから間違いない。
ばちり、と音が鳴りそうなくらいしっかりと私と目が合った彼は、一瞬目を瞬いた後、不思議そうにこてりと首を傾けた。
その反応は当然である。
入校式の真っ最中だというのに斜め後ろを振り返っている私は明らかに異質だ。
焦った私は誤魔化すようにへらりと笑う。
警察学校に入校できるのだから優秀なのであろう彼に対して、このような誤魔化しは通用しないかもしれない。
けれどこの笑みは、私が何かやらかした時に見せれば陣平君と研二君が三回に一回くらいならば大目に見てくれる、魔法の笑みなのである。
幼馴染二人が特別私に甘いだけな気もするが、ひょっとしたら彼も同じように誤魔化されてくれるかもしれない。
さぁ、青年の反応はいかに。
「はわっ」
固唾を飲んで見守る私に、彼は困ったようにへにゃりと笑った。
「えへへ、たまたま目が合っちゃったのかな、ごめんね」という副音声でも聞こえてきそうな純真な笑みに、口から思わず奇声が漏れ出る。
いよいよ両隣の幼馴染二人がやばいものを見る目で見下ろしてくるけれど、今の私はそれどころではなかった。
そう、この時こそ景光君に私がばちこーんっと心を射抜かれた瞬間なのだ。
ばっきゅーん、ずどーん、きゃるるーん☆という効果音でも構わない。
とにかく彼の笑顔は私のハートにクリティカルヒットしたのである。
「ちょっとAちゃん、いい加減に前向いた方がいいよ」
「あ、うん。ごめん」
相当まずいと思ったのか、左に座る研二君からそんなお言葉が飛んでくる。
女の子に甘い研二君から、一応女である私が注意されることなんてなかなかない。
流石にそろそろ教官に見つかってお叱りを受けてしまう頃だろう。
私は素直に謝ると、大人しく首を前に向けた。
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真白(プロフ) - シンヤさん» わ〜！ありがとうございます！デートシーンを書くのに時間がかかっているせいで更新亀さんですが、良ければこれからもよろしくお願いします！ (11月15日 20時) (
レス) id: f022b78e83 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています🥰 (11月15日 0時) (レス) @page12 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2023年9月13日 17時
