変わらないものを ページ35
「そういえば、皆はどこまで知ってるの?」
「お前自身のことか? 付き合ったことか?」
「どっちも」
「目暮警部に報告はしたし、お前が寮の部屋引き払って俺の部屋で生活し始めたのは皆知ってるからなぁ」
そうなのだ。
怪我をした私が一人で生活するのは大変だから、とかなんとか言って、気がついたら私達は同居していた。
なんと陣平は昔私と暮らしていた時の私の部屋をそのまま残していたらしく、少しの日用品を買い足したり寮の部屋から持ってくるだけで、十分生活できる態勢が整っていたのだ。
そのことを知った時には、どう反応するべきなのかかなり迷った。
この天パ彼氏、私への未練がすごい。
私──AAのことが気になりだした時に、片付けるか少し迷ったらしい。
そこで片付けちゃって良かったんだよ。
彼氏の家に遊びに行ったら死んだ元カノの私物そのまま残ってるとか、どんなトラウマだよ。
まぁでも、そのおかげですぐに陣平の部屋で暮らせるようになったわけだし、元々自分のものだから使うのに抵抗はないし……とそのまま使ってしまっている。
そんなんでいいのか私。
「お前のことは……あの頃からいる奴らは皆何となく気づいてんじゃねぇのか? あの録音聞いたらお前があいつだってすぐわかるし」
「こんなに非現実的なのに?」
「前々からお前があいつに似てるって話はよくしてたし、むしろ納得がいった奴の方が多いと思うぜ?」
そういうものなのかねぇ、と口の中で小さく呟く。
それが本当ならば、一課の皆は摩訶不思議現象への適応能力が高すぎだと思う。
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作者名:真白 | 作成日時:2023年2月5日 0時