24話:まさかまさかの ページ26
「なんだか疑ってたのが阿呆らしくなってきたわ。さぁAちゃん、これに着替えてちょうだい。サイズが合うのがあるといいんだけど」
少しスッキリしたような顔で、シナ先生は色とりどりの着物を差し出してくる。
くの一の忍び装束や事務員用の着物は予備がなかったらしく、ここにあるのは男子生徒と同じものだけだそうだ。
「前の天女様が着ていた派手派手な着物なら売るほどあるから、選び放題よ？」
忍び装束は女の子が着るにしては地味よね、とシナ先生に言われ、私はブンブンと首を振る。
それをわざわざ取りに行かせるのは申し訳なさすぎる。
何より、そんな服を好んで着るのだと周囲から思われるのが嫌だ。
そう訴える私に「あら残念」と大して残念ではなさそうに言うと、シナ先生は持ってきた忍び装束の説明を始めた。
一番小さいのが三年生の制服である萌葱色で、一番大きいのが六年生の制服である深緑色らしい。
二年生以下の制服は私が着るには小さいだろう、と置いてきたそうだ。
……あれ、この色。
私は六年生の制服を見て、仙蔵さんが貸してくれた布をスカートのポケットから引っ張り出す。
やはり同じ色だ。
「それ、六年生の頭巾よね？」
「そうなんですか？ さっき学園長先生の庵で仙蔵さんからお借りして……」
……え？ 待って。仙蔵さんってひょっとして六年生？
バッとシナ先生を見ると、彼女は相変わらずの素敵な笑顔で私を見つめ返してきた。
「Aちゃんを学園に連れてきたのは、全員六年生。十五歳よ」
「ええっ！ まさかの年下！？」
衝撃の新事実に、思わず敬語が吹っ飛んだ。
では、三十代後半だと思っていた文次郎さんも十五歳だというのか。
……そっかぁ、年下なんだ……。
どうやら私には人の年齢を当てるセンスはなかったらしい。
内心ショックに打ち震えながら、私はシナ先生が渡してくれた着物を小さいものから順番に身体に当てていく。
六年生が十五歳ということは三年生は十二歳だから、さすがに小さすぎるだろうと思ったのだけれど。
「あら、ピッタリじゃない！」
まさかの十二歳がジャストサイズでした。
……嘘だ。私は信じないぞ。
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魚月(プロフ) - 小桜さん» わかります！めちゃくちゃあるあるですね！ありがとうございます。参考にさせていただきます！ (2022年3月29日 20時) (
レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 魚月さん» そうなんです！ 私も本大好きなんですよ〜。私の場合は、途中まで読んだ本を栞を挟んだりするんじゃなくて、開いたまま伏せて置くのが許せません！ 型が残ってしまうので。……これは結構あるあるなんじゃないかな〜って思ってます！ (2022年3月28日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - （続き）夢主ちゃんを究極の本好きにするため、本好きの友人達から「本好きあるある」を募って書いています。私はこうだな、というのがありましたら、ぜひ教えてくださいね！ (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんと気が合いそうとは、小桜さんもなかなかの本好きですね。……実は作者もです笑。 (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - ヤバい……夢主ちゃんの言うことめっちゃ分かる……！！ この子とは気が合いそうです！ とても面白く、続きが楽しみです。更新頑張って下さい！ (2022年3月28日 7時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年3月15日 9時
