たとえ ページ26
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木曜日がきて、普通にお仕事をして
そのまま凛さんに車で近くの駅まで送ってもらって、そのまま家に帰ると嘘を付く。
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スマホで乗り換えの仕方を調べて、指定された駅まで電車に揺られる。
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今はこうしてなんの気兼ねもなく外を歩けるけれど
来月には...なんて思うと、早く逃げたくて仕方がなかった。
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21時10分。
誰かの荷物がドアに引っかかって、電車が遅延した
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［もう来てる？］
［遅延してます。遅れます］
［電車で来るんかい(笑)］
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いつもならイライラするその時間も、憂鬱ではない。
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それから10分くらいして、その駅に電車が止まった。
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［南口出て左のところに停まってるから、なるべくすぐ乗って］
［かしこまりました］
［営業みたいな口調するな］
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南口を出て左に進んだら、人通りが少しだけ少ない場所に
黒い車が止まっているのが目に入る。
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絶対にあれだ。
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なるべく人に目を付けられないように近づいて、窓ガラスを叩いたら
運転席にいた二宮さんが、顔を上げた。
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後ろに乗って、と指示されて
その扉を開けば、一瞬であの狭くて苦しいスタジオで
精神安定剤のように嗅いでいた匂いが舞い戻ってくる。
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「こんばんは」
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優しい口調で喋りながら、二宮さんはハンドルを切る。
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「….こんばんは」
「今日可愛いね。モモちゃん」
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仕事で、綺麗に化粧されて髪も巻かれた。
ただそれだけのことを、そうやって言われるのは恥ずかしい。
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「二宮さんの為じゃないんです。残念ながら」
「そうだろうね。でも俺の為だって思い込んで接するね」
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くははって、楽しそうに笑う二宮さんの心理は分からないけど
この人といる空気は、本当に心地がいい
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たとえ連れて来られたお店が、有名人か入れないようなセキュリティーが物凄い場所でも
….そこに
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「….あれ。Aちゃん？」
「….あ」
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会いたくなかった人が
いたとしても。
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まりも(プロフ) - うさぎさん» ね！！モモちゃんかわいいよね（笑）昔のADNは面影もないけど、新たに楽しんでいただけたら嬉しいなって思っております。おはなし！が！好きなんて！嬉しい！泣ける(:_;)またくだらないこと書くと思うけど、ぜひ楽しんでね(*¨*) (2018年1月17日 19時) (
レス) id: 915d2ca6db (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - ひょー！もう。モモちゃん可愛すぎて悶えてる(笑)二宮さんもさーもーほんとだめよね。楽しい。楽しすぎるぅ〜！やっぱり私はADNがほんとに好きだよ〜(泣)！そしてそして、おはなしも楽しみにしてまーす！まりもちゃんのおはなし私好き(笑)安心して(笑) (2018年1月14日 14時) (レス) id: ec8f096ad5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 麻友さん» 初めまして！昔のアイドルからお付き合いいただいているんですね！嬉しいです。あれと全く同じとはいきませんが、なんとなく沿っていきたいと思いますので、改めてお付き合い頂けたら嬉しいです(*ﾟ∀ﾟ*) (2018年1月7日 19時) (レス) id: 915d2ca6db (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - フミちゃんさん» こちらこそ！たくさん読んで頂きありがとうございました(*¨*)今年もゆるく書きますので、ぜひよろしくお願い致します(o_ _)o))ﾍﾟｺ (2018年1月7日 19時) (レス) id: 915d2ca6db (このIDを非表示/違反報告)
麻友(プロフ) - はじめまして。 まりもさんがこの話を連載してる時に読んでて今でも忘れられない話です。また読めることがとても嬉しく思います。更新頑張ってください。 (2018年1月5日 7時) (レス) id: 65cfe1ad79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：.
| 作成日時：2017年12月23日 21時
