あの日のこと 3 (ページ18)

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マネよりページ18

俺がこの世界に飛び込んで、初めて深く関わった芸能人が関ジャニ∞さんだ

俺の想像していたよりもアイドルは重くて苦しくて辛いものをたくさん背負っていた。

でも、関ジャニ∞さんはそんなものをすべて引き受けながらニコニコ笑ってメンバーが揃えば楽しそうにどんな楽屋よりも賑やかにはしゃいでいた

村上信五という、事務所でもトップレベルに忙しいタレントに付いた俺は、この2年の間2日しか休みのない日々を過ごした。

村上さんは、弱音なんて１つも吐かず、そして全てに全力で向き合っていた。

どんなスタッフにも優しく接し、そしてダメなときにはきちんと叱り、できた時には褒めてくれる。

どんな時も俺の話を聞いてくれる人だ。

でも、当たり前かもしれないけど、俺なんかより、スタッフなんかより、仕事なんかより、メンバーのことが何より大切なことも知っている。

俺は、2019年3月、村上さんと離れることになる。

村上さんはここ何年間も2年以上同じマネージャーがついたことはない。それは、村上さんに問題があるわけではもちろんなくて、事務所内でどのタレントよりも自己管理ができ、さらにはマネージャーを育て上げることができるからだ。

チーフが事務所のその方針に頭を抱え、村上を楽にしてやりたいとボヤいているのを聞いたこともある。

俺は、離れてもきっと一生この2年を忘れることはないだろう。濃くて暖かくて柔らかい時間だった。

「柚木、ありがとな。俺、いろんな意味でお前と過ごしたこの時間、忘れへんわ」

「ありがとうございました」

「ヤスが倒れたあの日、お前は本物の芸能人のマネージャーになったと思う。正しい判断してくれてありがとな」

送別会で言ってくれたその言葉、一生持って行きます。