92.温もり[2018/12/10一部訂正] ページ43
今日は遥輝と打ち合わせのため、札幌ドームへ向かった。
｢おはようございます｣
｢おはようさん、ほな行こか｣
遥輝と挨拶を交わして会議室へ。
なんとなく、あんなことがあったあとだから気まづい。
会議室へ入ると
｢A、先に聞きたいことあんねんけど。｣
絶対慎吾くんのことでしょ。
｢昨日、慎吾から聞いたで、お前らのこと。｣
｢それで？｣
｢ぶっちゃけ、Aは慎吾のことどう思ってんの？｣
ストレートど真ん中。
それも剛速球。
爆弾をぶち込まれたようだ。
｢……｣
｢A？｣
正直、
｢…分からない｣
｢え？｣
これが私の今のホントの気持ちだった。
｢…あの頃はほんとに大好きだった。けど今は、、、分かんない。｣
遥輝は鳩が豆鉄砲くらった顔をしている。
｢…再会した時はほんとに嬉しかった、ちゃんとバイバイしないで別れたから、会いたいとも思ってた…｣
だけど、
なんだろう、
私の中に、あの頃程の感情はなくて。
あんなに好きだったのに。
会えない時は、簡単に嫌いになれたらって思ってたのに。
慎吾くんに再会したとき、
あの頃程の感情がないことに驚いた。
｢…今の私は慎吾くんのことが好きって、胸張って言えない｣
思わず涙が溢れてくる。
それに気づいた遥輝は、持っていたタオルを私に被せ、そっと抱きしめてくれた_____
すごく温かかった
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作者名：Chon． | 作者ホームページ：https://marshmallow-qa.com/ys123f79
作成日時：2018年12月1日 22時
