By a trick of fate ~ 2 (ページ27)

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76.初めての乾杯ページ27

遥輝と中島卓也に連れられ、着いた先は焼肉屋さんだった。
プロ野球選手と焼肉ってハードル高くない？
なんて思うのは私だけだろうか。

ちなみに道中、私と中島卓也が直接言葉を交わすことは無かった。

遥輝が必死に何か話しとったけど…

｢西川様ですね、こちらです。｣

遥輝を見るなり、店員さんは直ぐに個室へ案内した。

めっちゃ高そうな雰囲気。

席に着くと、

｢なんでも頼んでええで、ね、卓さん｣

｢…あぁ｣

どうやらほんとに中島卓也の奢りらしい。

私なんかにも奢ってくれるのか…なんか申し訳ないな。

｢A今日、ドームでビール飲まんかったやろ？｣

｢当たり前じゃん、あんなお偉いさんに囲まれてビールは飲めないよ…｣

｢そうや思たわ笑飲みもん、ビールでええ？｣

｢いいです｣

｢卓さんもビールでええですか？｣

｢よか｣

飲み物を決めると、遥輝が店員さんを呼んで飲み物と肉をテキトーに注文していた。

直ぐにビール3杯がきた。

｢とりあえず乾杯しますか、カンパーイ！｣

カチャンと、ジョッキの合わさる音。

思えば、これが中島卓也との初めての乾杯だよね？

少しずつ開く運命の扉に、まだ私は気づかない。