Chrysanthemum princess (ページ25)

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伍ページ25

望side

桃「ここか…。」

広い道に出て、すぐの店を見上げる。

店はとにかく大きかった。
遊郭はこういうものなのだろうか。
吉原の店などちゃんと見たことがないから。
…よし。

意を決して扉を叩いた。

桃「ごめんくださーい。」

暫くして黒い着物を着て羽織を着ている、怖そうな人が出てきた。

…機嫌悪そう。
俺、何か下手なこと言ったら殺されるかもしらん。
ていうか、顔怖っ。
頼むから眉間に皺寄せんで、ほんまに怖い。

？「…誰やねん、お前。」

あ、関西弁…。
この人も関西の方出身なんやろか。

桃「あ、あの、雛菊さんのことで…｣

俺が“雛菊”という名前を口にした瞬間、男が俺の胸ぐらを掴み怒鳴った。

？「おい坊主！お前か菊を攫ったんは！」

桃「え、ええ！？ちゃいます、そんなことしてません！」

誤解を解こうとするも、男の勢いは止まらない。
それどころか、どんどん怒りが増している。

？「嘘つけ！お前みたいな坊主がうちの店に来たことある訳

ないやろ！なんで菊のことを知っとるねん、おかしいやろ！

菊は今どこにおるんや！はよ吐け！」

桃「だ、だから俺は攫ってへんて…。

ほんまに落ち着いて…。」

桃「黙れ坊主！とりあえず、お前を斬らな気が済まん！」

ちょ、ほんま誰か助けて。
こいつ止めて…。