Chrysanthemum princess (ページ22)

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弐ページ22

望side

緑「駄目や。あんた、まだ熱あるやろ。」

神ちゃんが咎める。
そらそやろ。さっきしげに熱あるって言われて寝ようとしとったやん。
病み上がりの奴に行かせるほど、俺ら鬼じゃないねん。

黄「せやけど…。」

多分、菊自身も無理だと分かってる。
けど、俺らのことを凄く考えて言っているのだろう。
どうすれば…。

紫「のんすけ、のんすけ。｣

うんうん唸って思案していたら、濵ちゃんに小声で呼ばれた。

桃「何？濵ちゃん。」

紫「のんすけが行ったらええんちゃうん？」

桃「えぇ、俺？なんで？」

紫「のんすけ、菊さんに助けられたんやろ？

恩返しするのに絶好の機会やと思うねん。」

桃「そら、そうやけど…。」

紫「のんすけがやる言うたら、菊さん喜ぶと思うで。」

菊が、喜ぶ…。

実は、菊と二人で山を登りながら話していた時、俺は菊の笑顔に惚れてしまっていた。
けど、菊はそれ以降あまり笑っていない。
もし、俺が行くことで菊が笑顔になるなら。

桃「なぁ、菊。…俺、菊の代わりに行くで。」

黄「…え？」

菊が目を見開いた。