7．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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＿＿＿飛行船に戻れない以上、私は私の出来ることを探さなきゃ。



そう思ってまず思いついたのが、研二くんと一緒に犯人さんの目的を推理すること。


でも、情報が少ないからか、これといってピンと来る推理は思いつかない。






そもそも、どうして犯人さん達は細菌を使ったんだろう。



飛行船をハイジャックするだけなら、爆弾だけでも十分可能なのに。








「研二くんは、犯人さんの目的ってなんだと思う？」


『うーん、そうだなぁ……これだけの規模の犯罪ってなると、俺的には裏で結構なお金が動いてる気がするけどね』




「お金？」


『そうそう。例えば今回のテロで警備の人手が減ってる隙に、どっかのお宝を盗むとか。……つってもまぁ、今はどこもセキュリティー技術進んでるし、その可能性は低いと思うけど』









……セキュリティー。



確かに研二くんの言う通り、お宝が手に入りそうな場所は大体、厳重なセキュリティーで守られてる。

警備の人手が減ったくらいじゃ、きっと盗みに入るのは難しいはず。




＿＿＿＿＿＿だけどもし、人が居なくなるだけで、入り放題になる場所があるとしたら。









《ザｻﾞッ……ｻﾞｯ……》


「え？」









そこまで考えたところで突然、誰かから通信を受けたバッチが微かにノイズを流し始める。




このタイミングで連絡が取れるのは、唯一犯人さんに捕まっていないコナンくんだけのはず。


けれどスイッチを押した私の耳に入ってきたのは、コナンくんの声ではない、ずっとずっと聞きたかったその声で。








《＿＿＿＿＿＿漸く繋がったか》








少しだけ高いその声は間違いなく、今まで何度も聞いてきた人物の声だった。









「っ、れーくん……！！」


《ふっ、相変わらずお前は元気そうだな》








顔が見えなくても、声だけでれーくんが笑ってる姿が簡単に想像できる。


その事実に泣きそうになるくらい安心して、でもまだ泣くわけにはいかなくて、小さな探偵バッチをぎゅうっと握りしめた。








「ど、どうやってバッチ、手に入れたの……？」


《ウェイターが回収したやつを拝借した。お前に繋がるかは、正直賭けだったけどな》





「……た、体調はもう、大丈夫なの……？」


《問題ない。椅子にさえ座らなければこれ以上かぶれることもないしな》





「…………ほんと、に……れーくん、なの……？」


《あぁ、お前の知ってる本物の零くんだ》








そう言って「ふっ」と笑うれーくんの声は、いつもの数倍柔らかくて、優しい気がした。








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