7．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「＿＿＿＿＿＿つまり、お前達の作戦としては、このままヘリで飛行船の上空まで行って、キッドのハンググライダーで乗り移るつもりだったと」









場所は変わって、飛行船を追うヘリコプターの中。



コナンくんと新一お兄さん(キッドさん)を問い詰めたじんぺーちゃんは、そう言って腕を組んだまま、トントンと忙しなく指先を動かしていて。


ピンッと背筋を伸ばした二人の間には気まずい雰囲気が流れていた。





因みにキッドさんの変装については、さっきの一瞬でじんぺーちゃんが見抜いてしまっていた。



それについてキッドさんは「さてはAの嗅覚は父親譲りか？」なんて言ってたけど、血の繋がりは無いのに似てるってなんだか不思議だね。








「はぁ……どうせ止めたところで、お前らは無理矢理にでも飛行船に戻るんだろ」








私をお膝に乗せたじんぺーちゃんが、そう言って呆れたようなため息を漏らす。



そしてすぐ近くにあったキッドさんの頭をグシャグシャと撫でると、改まった様子で「いいかお前ら」と一言。








「俺はもうお前らのことは止めねぇ。スカイダイビングでもなんでも好きにすりゃいいさ。……だがな、一つだけ約束しろ。


　＿＿＿＿＿＿何があっても、絶対に生きて帰ってこい。良いな」









こいつの心に傷が残るような真似だけは、絶対に許さねぇからな。




じんぺーちゃんの言葉に一瞬だけ呆気に取られた後、すぐに新一お兄さんの顔がニッと不適な笑みを浮かべて。


コナンくんを抱えたまま扉を開けたキッドさんは、最後に一度だけ、こちらを振り返った。








「言われなくても、貴方のお嬢さんを泣かせる気は微塵もありませんよ」








＿＿＿＿＿＿またな、A。


そう言って微笑む顔が、何故だが最後に見た新一お兄さんの笑顔に、重なって見えて。




伸ばした手が空を切った次の瞬間、ヘリコプターの側面には幾つもの弾丸が撃ち込まれていた。








『アイツらマジで俺らのこと殺す気じゃん！！今弾丸目の前カスって心臓ヒュンってなったんだけど！！』





「チッ、この調子だとこれ以上は近づけねぇか……班長、ここは一先ず退避だ！俺達は別の方法を模索するぞ」



「了解！嬢ちゃん、揺れるからしっかり松田と萩原に掴まっとけよ」


「う、うん！」








航くんの「退避！」という声を皮切りに、機体が大きく揺れ始める。


窓の向こうではどんどんと小さくなっていく飛行船。



コナンくん達ならきっと大丈夫と思う反面、やっぱりどこか、不安な気持ちは拭えなかった。








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