7．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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コナンくんを呼びに行ってここまでってなると、かなりの時間がかかってしまう。



肩にかけた鞄の中を確認すれば、念のためと入れてきた工具が少しだけ入っていた。


これなら、私でも。










「……」










きっと、私が勝手に爆弾を解体したなんて聞いたら、じんぺーちゃんは二度と爆弾について教えてくれなくなると思う。


だけど今はそんなことを考えてる場合じゃない。



一刻も早く、みんなを助けなきゃいけないんだ。





覚悟を決めて、爆弾についていたガムテープを慎重に剥がし、ネジを回してカバーを取り外す。


これで後は、中のコードを切るだけ。









「っ……」









……切るだけ、なのに。



コードにペンチを添えた瞬間、指先が微かに震え始めて。


吸い込む空気が、突然重たくなる。






じんぺーちゃんに教えてもらった解体方法は、完璧に頭に入ってる。

このコードを切っても爆発しないことだって、ちゃんと分かってる。



それなのに。





……これが本物の爆弾っていうだけで、もしかしたら、って思っちゃう。










「っ、けんじくん……」










弱音を吐く時、いつだって口をついて出てくるのは【研二くん】の名前だ。




そうすれば、いつだって彼は私の所に飛んできてくれたから。


温度を感じない両腕で、私をギュッて強く抱きしめてくれたから。






でもそれも、今日ばかりは届いてくれない。






少し離れたところから「Aさん、どうしたの？大丈夫？」という声が聞こえてくる。


大丈夫って言おうとしても、喉に張り付いて上手く声が出せない。




どうしよう、折角ここまで来たのに。

私、どうすれば。











「＿＿＿ふっ、バーカ。おもちゃ如きで緊張しすぎだ」











ふと、その時。


頭を過った記憶は、じんぺーちゃんが、初めて爆弾の解体方法を教えてくれた時のことで。





そういえばあの時も私、怖くて最後のコードが切れなくて。


でも、爆弾のカウントダウンは止まらなくて、だんだん焦り始めちゃって。




そうしたら後ろに座ってたじんぺーちゃんが、笑いながら手を添えてくれたんだ。










「前に言ったろ。“焦りは最大のトラップだ”、ってな」










＿＿＿＿＿＿パチン、と記憶の中と現実の音が重なり合う。


ゆっくりと瞼を上げた先には、しっかりと導線が切られた爆弾が置かれている。



こんな大変なことをいつもしてるなんて、やっぱりじんぺーちゃん達は凄い。








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