7．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「＿＿＿＿＿＿全く、俺の周りはどうしてこうも無茶ばっかしちゃうかねぇ」










いつも傍で守ってくれている声が、風を切る音の合間から聞こえてくる。



はっと目を開けた瞬間、ふわりと私たちの体を包み込む冷たい感触。


しっかりと私たちを受け止めてくれた腕は誰よりも力強くて、泣きそうなくらいに頼もしくて。





人肌は感じないのに、どうしようもなくほっとしてしまった。





咄嗟にコナンくんの耳を塞いで、研二くんとその名前を紡ぐ。


そんな私に、研二くんは肺いっぱいの空気をはぁと吐き出してみせた。










「ある程度の事態は俺も予測してたけど、これは流石に予想外すぎるわ。マジで心臓に悪い。俺今霊体なのに普通に死ぬかと思ったからね？？？なんなら今も鼓動鳴り止まないから！！もしかしてこれが恋？！？」




「……ご、ごめんなさい」


「そこで謝られるとまるで俺が滑ったみたいでちょっと傷つく！！！」




「Aさん！もしかしてそこに誰かいるの？！」





「い、居ないよ！！全然いない！！ちょっと走馬灯見てたの！」









私の強引な誤魔化し方に「それもそれでどうなの」とケラケラ笑う研二くん。



やがて私達の背後に何かを見つけると、ふっと笑みを潜め、最後に一度だけ強くコナンくんごと私を抱きしめてきて。


「無事で良かった」と紡ぐ声音は、ひどく優しかった。








「正直他にも色々言いたいことはあるけど、取り敢えず今は地上に降りるのが先か。


　＿＿＿Aちゃん、頼むから舌噛まねぇように、ちゃーんと口閉じとけよ？」




「え？」









それってどういう。

言葉の意味を尋ねる前に、研二くんはコナンくんを抱きしめた私ごと投げ上げた。





落下中に投げ上げたからか、一瞬だけ宙に留まる私たちの体。



だけど反対に、研二くんの体は勢いよく下に落ち始めていて。










「研二くん！！！」










慌てて伸ばした手は、冷たい感触を掴むことなく空を切る。




分かってる。


研二くんは背後霊だから、怪我とかはしないはずだって。



でも、だけど、もし何かあったら。





そう不安がる私の体を、研二くんとは違うまた別の誰かの腕が力強く抱きしめた。










「ったく、手間かけさせやがって！」



「キッドさん……！」


「よぉ、お嬢さん。アンタが無事で何よりだぜ。まさか窓から放り投げるとはなぁ……どうする、名探偵。このまま降参か？」





「んなわけねーだろ！！今すぐ飛行船に戻れ！！！」



「無茶言うな」








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