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ネクタイを締めているじんぺーちゃんの声を背に勢いよく扉を開けると、そこには予想通り、帽子を深々と被ったれーくんと変装姿のヒロくんが立っていた。
「……まったく、お前は朝から元気だな」
口では呆れながらも、お腹に抱きつく私をひょいっと抱っこしてくれるれーくん。
爽やか店員のとーるくんとは違って口調はちょっとトゲトゲしてるけど、いつも何も言わずに抱っこしてくれるから、やっぱりれーくんは優しい。
口に出して言ったら怒られるから言わないけど。
「……なんだ、そんなに見つめて」
それに、ここからだとれーくんの綺麗な目がすっごく近くで見えるの。
お空みたいに青くて、キラキラしてて、なんだか宝石みたい。
飛行船でのキッドさんとの戦いで使われる宝石も、れーくんの瞳みたいに綺麗なのかなぁ。
そう思ってじーっと見つめていると、れーくんの眉間が不機嫌そうにしわくちゃになる。
初めはちょっと怖かったけど、今は照れ屋さんなだけって分かってるから全然怖くないや。
「あのね、れーくんの目、宝石みたいでとっても綺麗だね!」
「…………今更何を言い出すかと思えば。別に普通だろ」
「あれ、れーくんお顔赤いよ?」
「なっ……!」
「なんだよゼロ〜、照れちゃったのかぁ?」
「はぁ?!あんなので照れるわけないだろ!!」
『いやぜってー照れてんじゃん降谷ちゃん!!嘘下手すぎっしょ!!!』
照れ隠しが下手なれーくんにゲラゲラと笑い転げる研二くん。
その様子を横目にほんのり赤くなったほっぺたを触っていると、突然れーくんの帽子で頭と視界を覆われてしまった。
帽子を上に上げようとしても、鍔を押さえられてしまってびくともしない。
れーくんの握力、恐るべし。
「んだよ、お前らまだ行ってなかったのか」
れーくんと攻防を繰り広げていると、とうとうじんぺーちゃんも出かける時間になってしまったらしい。
漸く帽子のロックが外れて、私はれーくん帽子を被り直した。
「あぁ。俺たちも丁度、お前に伝えておきたいことがあったからな」
「……まさか、例のテロ組織の情報か?」
「その“まさか”、……なら、俺らも良かったんだけど」
「は?どういうことだよ」
歯切れの悪いヒロくんの言葉に、じんぺーちゃんは怪訝そうに眉を顰めた。
「……実は、過去に検挙した元幹部の連中は全員、今回の犯行については全く知らないらしい。顔写真についても、同様の反応だった」
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侑(プロフ) - 更新待ってました、!!おかえりなさい!! (2023年3月20日 14時) (レス) @page50 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
みすず。(プロフ) - ふぉわっっ!?!? 待って、久々の投稿っっ!! 好きです!! 更新ありがとうございます!! 元マシュマロ。です! これからもとことん応援、推させて頂きます!!! (2023年3月20日 0時) (レス) @page50 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 更新待ってました!!!!😭 ありがとうございます嬉しいです!!!、!!👊🏻💗 (2023年3月19日 16時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - はああああ!!!!!久しぶりの更新!!!!!わあああ!!!!ありがとうございます!応援してます!頑張ってくださいいっっ!!! (2023年3月19日 0時) (レス) @page48 id: eba900a9f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - この作品を読んでコナンくんにハマりました!主様の全作品の中で1番好きです。もちろん、他の作品も大好きですよ。こちらの更新も楽しみにしてます! (2023年1月4日 23時) (レス) @page46 id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
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