6．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「＿＿＿＿＿＿あ、探偵のおじさんだ！こんにちは！」









じんぺーちゃんのお家にやって来て初めてひいた風邪が治り、数日が経った頃。



探偵団のみんなに「一緒にサッカーしよう」と誘われて公園に向かっていた私は、その道中にバッタリと蘭お姉さんのお父さん＿＿＿基、探偵のおじさんに出会した。


おじさんは私を見つけると、「おー」と軽く目を見開いた。









「Aじゃねぇか。これからどっか遊びに行くのか？」



「うん！向こうの公園でね、コナンくん達と一緒にサッカーするの！」


「そら良かったな。気をつけて行ってこいよ」


「はーい」





『いっつも思うんだけどこの人自分の娘とAちゃんにだけ激甘じゃね？？？』










会うたびに研二くんがツッコミを入れてるこのおじさんは、時々テレビや新聞にも出るような有名人で、みんなには【眠りの小五郎】なんて言われてる、凄腕の探偵さん。




それに、事件現場で鉢合わせたらいつも「大丈夫か」って心配してくれて、怖がってたらさりげなく現場から遠ざけてくれる、とっても優しい人。




でもそれを言っても、直接見ている研二くん以外は誰も信じてくれない。



私がまだ小さかった頃に出会ってからずっと、おじさんは優しいままなのに。






暫くしてそろそろ公園に向かおうと別れの挨拶を言いかけると、不意におじさんの「あー、ちょっと待ってA」という声が私を引き留めて。



何やらポケットから取り出すと、それを私の目の前に差し出してきた。









「これやるよ」


「……ジュース？」




「おう。コンビニのくじ引きで当てたんだが、生憎俺は飲まねぇからな。オレンジ好きか？」


「うん！おじさんありがとう！」




「……こうして見ると、オメーも随分デカくなったもんだな」









ジュースを手にお礼を言う私の頭を、おじさんの大きな手がぐしゃぐしゃとかき混ぜる。




そういえばおじさんと初めて会ったのは、今からもうずっと前。

研二くんとも出会っていない、まだ二歳の頃だった。




ママと手を繋いで探偵事務所を訪れた私に、おじさんは笑ってお菓子をくれたの。


「初めましてだな、嬢ちゃん」って。









「そいつが居なけりゃ、俺だって浮気なんかしてねーっつうの」









それにおじさんは、浮気がバレて開き直るパパからも「自分の不始末を子どものせいにしてんじゃねぇ！」って言って、私を守ってくれたから。



だから私、探偵のおじさんが大好きなの。








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