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近所の病院が受付を始める午前八時半頃。
目を覚まして着替えまでは出来たものの、駐車場までの歩行が難しそうなAを抱っこし、運転中は後部座席でハギに面倒を見てもらいながら、俺は病院に急いだ。
___診察の結果としてはただの風邪で、数日安静にしていれば問題ないとのことだった。
ただ今日中は更に熱が上がる可能性があるため、医者には「親御さんが側についていてあげてください」と言われた。
取り敢えず処方してもらった薬を薬局で受け取り、帰りの車の中で目暮警部に休みの連絡を入れておく。
元々Aが熱を出した時点で休む気ではいた。
病院とか諸々のことで肝心の連絡を忘れていたが。
「A、もうすぐ家着くからな」
「う"ぅ〜……けほっ、けほ……」
家から持ってきた毛布にくるまって、後部座席に横になっているA。
頭だけが上がっているところを見ると、ハギが膝枕でもしているのだろう。
……思えばAを引き取ってから、あいつがこうして体調を崩すことはほぼ無かった。
引き取った当初は頻繁にあった夜泣き的なあれも、最近ではほとんど無くなっている。
それだけAが成長したということなら別に良い。
……だがもし、俺のせいで無理をさせているとしたら。
「……ま、ま……ぃか、ないで……」
母親の件も、いつかは考えてやらなきゃいけねぇよなぁ。
今朝の出来事を思い出しながら、マンションの駐車場に車を停め、くるまった毛布ごとAを抱き上げる。
熱も相まって今回の風邪は相当しんどそうだ。
病院で測った時は38度3分だったが、あれから更に上がった気がする。
「ゲホッ、けほっ、……ぅえぇぇん……っ」
「おー、しんどいなぁ、A。帰ったらお薬飲もうなぁ」
それに今日のコイツ、なんかいつもより幼い気がすんだよな。
俺の首に抱きついて泣き始めるAの背中をトントンと叩きながら、エレベーターに乗って五階に上がる。
Aを抱いてる俺に代わってハギが荷物を持っているせいか、隣では薬の入ったビニール袋と、診察券などが入った手提げ鞄が宙に浮いていた。
普通に監視カメラ映ってるけど大丈夫か、これ。
「ハギ、すまねぇ。扉開けてくれ」
______ガチャッ
両手が塞がった俺の声に反応し、一人でに開く玄関扉。
こうしてみると完全に自動ドアだな。いつからうちは最新鋭になったんだ。
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侑(プロフ) - 更新待ってました、!!おかえりなさい!! (2023年3月20日 14時) (レス) @page50 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
みすず。(プロフ) - ふぉわっっ!?!? 待って、久々の投稿っっ!! 好きです!! 更新ありがとうございます!! 元マシュマロ。です! これからもとことん応援、推させて頂きます!!! (2023年3月20日 0時) (レス) @page50 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 更新待ってました!!!!😭 ありがとうございます嬉しいです!!!、!!👊🏻💗 (2023年3月19日 16時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - はああああ!!!!!久しぶりの更新!!!!!わあああ!!!!ありがとうございます!応援してます!頑張ってくださいいっっ!!! (2023年3月19日 0時) (レス) @page48 id: eba900a9f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - この作品を読んでコナンくんにハマりました!主様の全作品の中で1番好きです。もちろん、他の作品も大好きですよ。こちらの更新も楽しみにしてます! (2023年1月4日 23時) (レス) @page46 id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
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