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「______なるほどね、人工知能がゲームを……相変わらず、事件と縁の深い探偵団なこって」
「相変わらずって、お兄さん僕達のこと知ってるの?」
「ん?まぁね。よくAちゃんから聞かされてるし」
そう言って、私の頭を優しく撫でる研二くんの左手。
そこには何故か、いつもは感じられない筈の温もりがあって、思わずペタペタとその手を触ってしまう。
そういえばさっき抱っこされた時も、冷たい筈の研二くんの腕が暖かかった。
それにみんなの目にも、研二くんの姿が見えてる。
もしかして目を覚ましてくれたのかな、なんて一瞬考えたけれど、すぐにその考えは振り払う。
……だってここは、ゲームの世界だから。
「ていうか、そんなよく分かんねーおっさんに情報与えて良いのかよ」
「あぁ。それは僕も最初考えたけど、この人だけ唯一、この世界がゲームだと認識しているし、……それに……」
そこで言葉を区切ったコナンくんは、諸星くんに向けていた視線を徐に、研二くんの左腕に抱きつく私に移して。
それから、難しい表情をしていた顔に、どことなく安心した様子を浮かべて見せた。
「それにこの人は、Aさんの大切な人みたいだから」
「だよね、Aさん」そう問いかけてくれるコナンくんに、私は何度も首を縦に振る。
研二くんは、私の大切な人だ。
たとえゲームであっても死んでほしくないし、出来ることなら、一緒にここから出たい。
……もう、大切な人に会えなくなるのは、絶対嫌だから。
「それじゃあね、Aちゃん」
雅美お姉さんも、あれからずっと、会えてないから。
最後に見た雅美お姉さんの姿を思い出して、更にぎゅーっと強く腕に抱きつく。
研二くんは「Aちゃーん、お兄さんちょっと腰が痛いかなー?」なんて言ってるけど、知らない。
ずっとずっと眠りっぱなしの研二くんが悪い。
「刑事さんはなんてお名前なの?」
「あれ、まだ名乗ってなかったっけ。俺は萩原研二だよ。よろしくな、お嬢ちゃん」
名前を聞いてきた歩美ちゃんの頭を軽く撫でると、研二くんはにこりと優しげな笑みを浮かべた。
研二くん、ちゃんと認識してもらえて、ちょっとだけ嬉しそう。
私も、みんなに大切な人を紹介できて嬉しい。
「てか、Aちゃんそんな上着持ってたっけ」
「ううん。菊川くんに貸してもらったの!」
「……ふーん、なるほど?」
「なっ、……なんですか、その目は」
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侑(プロフ) - 更新待ってました、!!おかえりなさい!! (2023年3月20日 14時) (レス) @page50 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
みすず。(プロフ) - ふぉわっっ!?!? 待って、久々の投稿っっ!! 好きです!! 更新ありがとうございます!! 元マシュマロ。です! これからもとことん応援、推させて頂きます!!! (2023年3月20日 0時) (レス) @page50 id: 5bbebede5e (このIDを非表示/違反報告)
ふゆな(プロフ) - 更新待ってました!!!!😭 ありがとうございます嬉しいです!!!、!!👊🏻💗 (2023年3月19日 16時) (レス) id: 676d8245fd (このIDを非表示/違反報告)
たむ(プロフ) - はああああ!!!!!久しぶりの更新!!!!!わあああ!!!!ありがとうございます!応援してます!頑張ってくださいいっっ!!! (2023年3月19日 0時) (レス) @page48 id: eba900a9f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - この作品を読んでコナンくんにハマりました!主様の全作品の中で1番好きです。もちろん、他の作品も大好きですよ。こちらの更新も楽しみにしてます! (2023年1月4日 23時) (レス) @page46 id: 19928cbf59 (このIDを非表示/違反報告)
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