4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「もう帰ろうよみんな……危ないよ」







館長さんがエレベーターに乗って帰って行ったのを見送ると、みんなは一斉に室内に入っていって。



その背中をなんとか追いかけるけど、館長さんが犯人だと分かった以上、私たちのこともいつバレるか分からないんだ。



早くしないと、また館長さんが戻って来ちゃうかも。

そうなって見つかったら、絶対良くないことになっちゃう。







「館長さんも帰ったんだし、もう大丈夫よAさん！」


「そうかもしれないけど……」







ずっと館長さんの傍に居た研二くんから聞かされたのは、行方不明になってる【タマダ】さんは、館長さんに殺されたという内容だった。




放課後に見た輸入本の中身をタマダさんは見てしまって、その口封じのために殺されちゃったんだって言ってた。



じゃあもし、私たちがあの時、無理矢理にでもビニールを剥がして中身を見てたら。



……私たちもタマダさんと同じように、あの館長さんに殺されてたのかもしれない。








＿＿＿『因みにあの本は予想通り、背表紙が無い本型の入れ物だったよ。さっき中身も確認したけど、あれは麻薬だな』








その本は今も、私たちが普段から使っている本棚に隠されてるらしい。


今日の時点で既にいっぱい置いてあったから、ずっと前から置かれていたんじゃないかって。





少し遅れて「あの輸入本はまだこの中にある」と推理したコナンくんを横目に、私も一冊本を抜き取る。


その奥を覗き込むと、そこには向こう側の本がずらっと並んでる。特に変なところはないような。




だけど研二くんに言われるがままそれを引っ張り出して、ようやく意味が分かった。


その奥にもまた、向こう側の本が現れたのだ。







「これ……」



『その中に麻薬が入ってる。背表紙が無いのは、本を抜き取っても向こう側の本だと思わせるため。特にここは児童書コーナーだから、Aちゃんくらいの年齢の子はあんまり近づかないだろ？だから余計バレなかったんだ』








「俺の嗅覚もまだまだ侮れねぇわ」と、薄暗い館内で背表紙のない本を開く研二くん。



見せてもらった中身には、確かに白い粉の入った大きな袋が一個。


……これが、麻薬。






＿＿＿＿＿＿するとその時、突然館内の電気が点灯して、私は反射的に目をぎゅっと細めた。




う、暗い中に慣れ始めてたから眩しい。








「ッ、バカ！！電気なんか付けるな！！！！」








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