4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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一番にあがった私と研二くんに続いて、ヒロくん、航くんとあがって、残りはじんぺーちゃんとれーくんの一騎打ち。


バチバチと火花を飛ばしながら睨み合うじんぺーちゃんとれーくんの様子をみんなで見守る。




私が知ってる二人もいつも喧嘩してるから、こんな光景にはもう慣れっこだ。


公園とかでよく掴み合いの喧嘩してるもん。

お家でも口喧嘩いっぱいしてるし、じんぺーちゃんはよくれーくんが作ったご飯つまみ食いして殴られてるし。




でも、二人とも本当は仲良しだから、すぐに仲直りしてるんだ。


だから喧嘩してても全然怖くないの。





…………あ、でも。

私、こんな風にみんなでババ抜きしたこと、一回もないや。



じんぺーちゃんもれーくんも、ヒロくんも航くんも、みんな忙しいから。


全員揃うことって、あんまりないの。








「Aちゃん、今楽しい？」



「え？どーして？」


「んや、なんか浮かない顔してたから」








まぁあんなむさ苦しい喧嘩見せられても困るよなぁ、なんてケラケラ笑いながら言う研二くん。



見てわかるくらい浮かない顔してたのかな、私。

ただちょっと寂しくなっちゃっただけなのに。







「ううん、困ってないよ。楽しいよ。私の知らない研二くんたちがいっぱい居るから」


「あぁ、そういえばAちゃんは俺らのこと知ってるんだっけ。Aちゃんが知ってる俺らってさ、どんな感じ？」








私が知ってる、研二くんたち……？








『Aちゃんには笑顔しか似合わないよ』


「今のお前見てたら、ここも悪くねーなと思うよ」


「……Aちゃんにならいくらでも」


「そんなに震えなくても大丈夫だ。お前には指一本触れさせない」


「そんときゃ嬢ちゃんも来てくれよ？」








私が知ってるみんなは、優しくて、かっこよくて、暖かくて。


みんなの笑顔のために、毎日戦ってる、みんなのヒーローで。








「＿＿＿＿＿＿Aのかっこいいヒーローだよ！」



「……そっか。君のヒーローになれてるなら、きっとその研二くんも喜んでるだろうな」








優しく微笑んだ研二くんに、ふと、病室で眠ってる研二くんの姿が重なる。


どうしてか分からないけど、その時、無意識のうちに口が動いていた。








「研二くんは、今、幸せ？」


「……」








私の質問に一瞬目を見開いた研二くんは、けれどすぐに柔らかく目元を綻ばせて、私の頭を撫でた。








「＿＿＿＿＿＿あぁ、最っ高に幸せだ」








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