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私たちが一階まで降りてくると、それは丁度ぞーさんがみんなに「引き上げるぞ」と言ったタイミングで。
どうしよう、他の刑事さんはもうゾロゾロと館内から出ていっちゃってる。
このままじゃじんぺーちゃんからお話聞けないよ。
今日も夜遅くなるって言ってたから、事件とか関係なく、一回くらいお話ししたかったのに。
慌てて周囲を見渡すけど、じんぺーちゃんの着てる黒いスーツを見つけられなくて、その場でしゅんと落ち込む。
……きっともう、ぞーさんたちと帰っちゃったんだ。
「___どーした、A」
「!じんぺーちゃん……!」
また今日も明日の朝まで会えないんだ。
そんな風に思って落ち込んでると、背後からふわりとタバコの匂いがしてきて、咄嗟に声の方を振り向く。
するとそこには、いつものサングラスをかけたじんぺーちゃんが、笑いながら立っていて。
思わず抱きついた私に、じんぺーちゃんは「どした、今日は甘えたか」と優しく頭を撫でてくれた。
だって最近、じんぺーちゃんずっとお仕事続きで、夜ご飯全然一緒に食べられてないから。
…………ちょっとだけ、ママのこと思い出しちゃったの。
「悪いな、最近なかなか帰れなくて。仕事が立て込んでてよ。緑川とは仲良くしてるか?」
「うん。ヒロくんのご飯ね、じんぺーちゃんに負けないくらい美味しいよ」
「そら妬けるねぇ。あいつに娘の胃袋奪われる前に帰らねぇと」
『因みに俺はもうAちゃんの胃袋掴んでるけどね!』
じんぺーちゃんの後ろでドヤ顔を決めてる研二くんを見上げていると、じんぺーちゃんの肘が綺麗に研二くんの鳩尾に入った。
これには特に痛覚の無い研二くんも、「痛くねぇけどなんか痛い!」と鳩尾を押さえて退散。
やっぱり、じんぺーちゃんって研二くんのこと絶対見えてると思う。
「今日はなにがあったの?」
「あぁ。実はここの図書館職員が行方不明になっててな。それで聞き込みに来たんだよ。……まぁ、あのガキが居る時点であんま良い予感はしねぇけど」
そう言うじんぺーちゃんの視線の先には、何かを考え込むコナンくんの姿。
「この前の事件でも一緒だったしな。警部は毛利の探偵を死神扱いしてるようだが、俺からすりゃあのガキの方が死神だぜ」
「変に首突っ込むなよ」そう忠告したじんぺーちゃんは、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でると、そのままぞーさんを追って居なくなってしまった。
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宮野冬姫(プロフ) - それから、158の絶好の場所というセリフが格好の場所になってます (2022年7月10日 21時) (レス) @page12 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 150のパトカーのサイレンですが、ピーポーピーポーは救急車では? (2022年7月10日 21時) (レス) @page4 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
朱夢 - とても面白いです‼️いつも楽しく読んでます。寒いですが頑張ってください‼️ (2021年12月10日 16時) (レス) id: af58c4fc49 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 更新ありがとうございます。しかし本当に警察学校組は若いですよね…。 (2021年12月10日 2時) (レス) @page48 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
とーふ(プロフ) - 更新ありがとうございます!研二くんとじんぺーちゃん、警察学校組の皆と話している夢主ちゃん可愛い!記憶に残ってないのは悲しいですけどね…これからも更新頑張ってください! (2021年12月9日 18時) (レス) @page48 id: a9336fcc7d (このIDを非表示/違反報告)
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