4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「……えっと、松田A……です？」


「バーロ。んなこた分かってんだよ」

「？？？」







他になんて言えば良いんだろ？



そう思って首を傾げれば、コナンくんは分かりやすく「はぁ」とため息をついて。


それから、一言。







「……戻りてぇなら、白乾児(パイカル)って酒だ。分かったな」







そんなよく分からない言葉を零して、私よりも先に階段を降りていってしまった。




……うん？


つまり、パイカルってお酒がオススメだよってこと？

でも戻りたいならって、どういう意味だろ？



取り敢えず帰ったらじんぺーちゃんにオススメしてみよ。




その為にも、ちゃんと生きて戻らなきゃ。







コナンくんの後を追って階段を降りると、私だけ降りてこなかったからか、研二くんに「もう心配したじゃん！！もうちょっとで館長地獄行きにしてたとこなんだけど？！？」と怒られた。



うーん、悪い人を地獄行きにするなら、寧ろ良いことなような。







「全てはあの津川館長の仕業だよ。さっ、早く警察に連絡を！」




「うえぇっ？！」


「っ……！コナンくん、後ろ！」








手動で開けた扉の向こうには、死体の乗ったエレベーターの天井と、明かりのついたエレベーターの中の様子が見えて。



そこから覗く顔に、震えそうになりながらコナンくんの名前を叫んだ。


……館長さんが、エレベーターに、乗ってる。






降りてきた館長さんから距離を取るように、みんなで一歩、二歩と後ろに下がる。




「くそ、一人だけならなんとかなるのに」と、研二くんも苦々しい顔をしている。


どうしよう、このままじゃ。

早くみんなを逃さないと。








「…………コナンくん、お願いがあるの」



「奇遇だね。僕もAさんにお願いがあるんだ」








多分、今コナンくんと考えていることは同じだ。


自分が囮になるから、あの三人をお願いって。




コナンくんの考えてる作戦だと本棚を動かす時間が必要だから、やっぱり誰かが囮になる必要がある。




……大丈夫。だって私には、研二くんがいるもん。








「＿＿＿ふっ、ガキだと思ってなめんなよ」








コナンくんの声を聞きながら、少しでも早く動けるよう、階段の近くに移動する。




他のみんなはエレベーターの方。


私だけ階段なのは、コナンくんが滑り込んだ後、乗り遅れた子供として館長さんの気を引くためだ。



時間的にも、作戦的にも、そっちの方が確実だから。








＿＿＿『絶対戻ってこいよ』








うん、絶対戻るよ、コナンくん。








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