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可動式の本棚を動かしながら遊ぶみんなに「落ちたら危ないから気をつけてね」と呼びかける。
まぁ、元太くんの本棚は、体重で動かないみたいだけど。
研二くんと一緒に苦笑いを溢して、ふと入り口の方に顔を向ける。
するとその時、薄暗い廊下に、何か黒いものが通った気がして。
もしかしてもう、館長さんに、私たちの居場所がバレてる……?
「___分かったぞ!死体の隠し場所が!」
「え?!」
いつみんなが襲われるか分からない恐怖にビクビクしていると、急にコナンくんがそんなことを叫んで、廊下の階段を駆け上がっていく。
その背中を慌てて追いかけるが、みんなに合わせると、距離は離れていく一方で。
みんなを置いていくのは心配だったけど、このままじゃコナンくんを見失ってしまう。
そこで咄嗟に、研二くんに歩美ちゃん達と一緒に居てもらう様にお願いして、私一人でコナンくんの背中を追いかけた。
だって、私たちの居場所が分かってるのに、館長さんは全然襲って来なかったもの。
ということは、多分館長さんは私たちが一人になったところを狙ってるんだ。
だったらきっと、三人でいる歩美ちゃん達は大丈夫。
今はコナンくんを一人にしないように追いかけないと。
てか、コナンくん足早すぎだよ!50m走何秒なの?!
「はぁ、はぁっ、ちょっと待って!コナンくん早いよ……!」
「あれ、Aさん一人?」
「だってみんな追いつけてなかったもん!」
息を切らしながら登り切った先にあったのは、この図書館の機械室で。
コナンくんはそこにあるいろんなボタンを弄ると、なんの躊躇いもなく、エレベーターの扉を自動から手動に切り替えた。
エレベーターの扉をわざわざ手動に…………もしかして、エレベーターの上に、何かがあるの?
「勘のいいAさんならもう、死体のありかに気付いたんじゃない?」
……ううん、何かじゃない。
きっとそこに、タマダさんの死体があるんだ。
「死体は恐らく、エレベーターの上だよ。そこは滅多に人に見られないからね。死体を隠すのに、絶好の場所さ」
廊下の窓から、眩しいくらいの月明かりが差し込んでくる。
その光がコナンくんの掛けている眼鏡に反射して、ここからでは、うまく表情が見えない。
「……ねぇ、Aさん」
壁に凭れかかって腕を組んだコナンくんが、徐に私の名前を呼んで、顔をあげた。
「______君は一体、何者?」
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宮野冬姫(プロフ) - それから、158の絶好の場所というセリフが格好の場所になってます (2022年7月10日 21時) (レス) @page12 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 150のパトカーのサイレンですが、ピーポーピーポーは救急車では? (2022年7月10日 21時) (レス) @page4 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
朱夢 - とても面白いです‼️いつも楽しく読んでます。寒いですが頑張ってください‼️ (2021年12月10日 16時) (レス) id: af58c4fc49 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 更新ありがとうございます。しかし本当に警察学校組は若いですよね…。 (2021年12月10日 2時) (レス) @page48 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
とーふ(プロフ) - 更新ありがとうございます!研二くんとじんぺーちゃん、警察学校組の皆と話している夢主ちゃん可愛い!記憶に残ってないのは悲しいですけどね…これからも更新頑張ってください! (2021年12月9日 18時) (レス) @page48 id: a9336fcc7d (このIDを非表示/違反報告)
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