4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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私を取り逃した館長さんは暫くの間窓から体を乗り出して私を睨みつけていたが、やがて諦めたように他の四人を探しに行き、そして少年探偵団の返り討ちにあって気絶してしまった。




窓からコナンくんに「こっちは片付いたよ！」と教えてもらって向かった先では、本棚に埋もれて星を飛ばしている館長さん。


本棚はドミノ倒しのように上手く動かされていて、なんとか時間は稼げたらしい。



その事に安堵して、私は近くに居た研二くんと小さくハイタッチをした。





これにて一件落着！








「＿＿＿＿＿＿テメェは一体どんだけ俺に心配かければ気がすむんだコラ？？なんで携帯を持って来なかった？？なんの為の携帯だ？？えぇ？？」




「ごべんだじゃい」


『なんで俺まで……』








……とは、行かなかった。

松田A、現在、じんぺーちゃんからのお説教中です。




コナンくんの携帯によって通報した警察からは、通報内容が殺人事件ということもあって、駐車場がいっぱいになる程パトカーがやって来た。


そこから降りてくるのは勿論捜査一課の人たち。




聞き込みにも来たじんぺーちゃんが通報の時だけ来ないなんて事もなく、ぞーさんと降りてきたじんぺーちゃんは、私を見るなりその大きな手で私の頬を鷲掴みにしてきて。



因みに研二くんは全力で塩をぶん投げられて今もまだ痛がってる。




じんぺーちゃん、容赦ない。








「眼鏡のボウズからお前が窓から飛び降りたって聞いて、こっちは飛んできたんだぞ……！」


「でも、研二くんだって居るし……」



「でももだってもねぇ！！お前はあいつの力を過信しすぎだ！！！！」








ビリビリと地面が揺れそうな程の声量で怒られて、研二くんと一緒にしゅんと縮こまる。



でも他のみんなには、研二くんみたいな背後霊は居ないもん。


だったら、窓から飛び降りても無傷でいれる私が囮になった方が、みんな傷つかなくて済むって、思って。




ゴニョゴニョと理由を話していたら、揺さぶるようにじんぺーちゃんの手が肩を掴んだ。








「お前がどう思ってるか知らねぇが、ハギはな、A、絶対的な存在じゃねぇんだ。いつどんな拍子に触れなくなるかも分からねぇし、いつ見えなくなるかも分からねぇ。今だって正直、どうやって干渉してんのかすら分からねぇだろ！


ハギがお前を助けてくれんのは奇跡に近ぇんだって事、二度と忘れんな！！」








……奇跡。



じんぺーちゃんの言葉にハッとさせられて、私はもう一度小さく「ごめんなさい」と謝った。








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