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「君はもしかして、何か知ってるのか……?」
私の肩を掴んでた髭のお兄さんは、そう言って首を傾げた。
お兄さんの後ろでは宙に浮いた研二くんがうろちょろしてて、正直とても気になる。
どうやら研二くんはお兄さんの背負ってる大きなカバンが気になるらしい。
ついには「覗いちゃえ!」と言って、彼はするすると顔をカバンに突っ込んだ。
勿論カバンのチャックは開いてない。
書いて時の如く研二くんの頭がカバンに突き刺さってる。
なんか、他の人が触れてるものは通り抜けるんだって。
「…………このカバンの中身、気になるかい?」
「……んえ?」
ジッとカバンに頭を突き刺したままの研二くんを見ていると、なんだか誤解されちゃったみたい。
険しい顔をしたお兄さんが背負ったカバンを守るようにして私に聞いてきた。
確かに大きなカバンだなぁって思うけど……後で研二くんに聞いてみよう。
『……見なかったことにしよう』
……あれ、なんだか様子がおかしいぞ。
カバンから頭を引き抜いた研二くんが死んだような顔をしていて(というか死んでるんだけど)、私は首を捻る。
そんなに変なものが入ってたのかな?
ヘビさんでも居たの?
『Aちゃん、今の諸伏ちゃんは多分危険なことに関わってる。そろそろ離れた方が良いかも』
危険なこと?
こそっと耳打ちをしてきた研二くんをチラリと見て、キュッと眉間に皺を寄せる。
するとそれを見た研二くんが、いかに危ないかを説明するように、ある単語を小さく囁いた。
『驚かないでよ?今の諸伏ちゃんね、___ギターケースに、ライフル入れてる』
らいふる。
……らいふる?
「お兄さんらいふるってなぁにー?」
『Aちゃんのおバカ!!!!ここでの地雷を一瞬で踏み抜いてんじゃん!!!!』
分からないことは大人に聞きなさいって言われたから聞いたのに、なんだか凄い研二くんに怒られてしまった。
目の前のお兄さんも唖然とした顔で私を見てて、「???」と疑問符を大量生産。
今日出会った人は不思議な人ばっかりだ。
『Aちゃん逃げるよ早く!マジで!今すぐ逃げよう!このままだと幽霊の俺まで殺されかねない殺気出してっから諸伏ちゃん!!』
研二くんも今日はやけにワタワタしてるし、みんな変なの。
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宮野冬姫(プロフ) - 本当ですか!ありがとうございます!! (2022年7月10日 13時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» 分かりました!変更しても物語には影響がないので、水銀レバーに変えておきます! (2022年7月10日 9時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうなんですか!でも、松田は水銀レバーと言っていたので個人的はコナン世界に合わせてほしいです。生意気なこと言ってすみません (2022年7月10日 9時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» コメントありがとうございます!ご指摘に関してですが、現実世界だと水銀レバーではなく水銀スイッチというらしくて、間違いではないです!多分無駄にリアリティーを追求してしまったんでしょうね(笑)ご指摘ありがとうございます! (2022年7月10日 9時) (レス) @page29 id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 028の爆弾のお話、水銀スイッチではなく水銀レバーですよ!! (2022年7月9日 23時) (レス) @page29 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無糖 | 作成日時:2021年6月13日 18時