1．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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あいつは多分、俺の仇を取ろうとしてくれているんだ。




二人ぼっちの散歩を続行していると、研二くんがぽつりと呟いた。







「仇を取るって何？」と聞き返した私に、彼は「俺に酷いことをした人を、俺の代わりにめってすることだよ」と教えてくれた。






【大親友】っていうのは、相手のためにそんなことまでするんだ。




……私にも、いつか出来るかな。大親友。








そんなことを考えながら歩いていると、前から来ている人に気づかなくて、私はポスンと誰かの足にぶつかってしまった。





た、倒れる……！









「＿＿＿っ、と……危なかった。君、大丈夫か？」



「ご、ごめんなさい。わたし、前見てなくて」



「ははっ、じゃあ、俺も見てなかったからおあいこだな。ごめんな、お嬢さん」









ぶつかった反動で絶対に尻餅をつくと思っていたのに、そうなる前に体を支えられていた。




顔を見上げると、ぶつかったのはひげが生えてフードを被った、少し怖いお兄さん。



じんぺーちゃんもサングラスかけてて怖かったけど、この人はなんだか雰囲気が怖い人だ。






猫目の瞳がギロリと私を捕らえて、蛇に睨まれた蛙の如く小さくなる。





……こう言う時は見つからないようにするのが最善なんだ。この前N○Kでやってた。








『え、諸伏ちゃん？！？あの降谷ちゃんと仲良く音信不通になった諸伏ちゃん？！？いや待ってなんでここに居んの？！』





「……もろふしちゃん？」








って誰、と思って顔をあげると、お髭のお兄さんは心底驚いた瞳で私を見下ろしていた。




次の瞬間にはガッと肩を掴まれ、思わずびくぅ！と体を跳ねさせる。






……今日の日記にはいろんな人に驚かされたって書こう。









「君、その名前、どこで……」



「え、えと、あの、その……？」








そもそもどうしてこんなにも彼を驚かせてしまったのかが皆目検討がつかない。




じんぺーちゃんの時もそうだ。



ただ研二くんが呼んでたから呼んだだけなのに、二人ともそう呼ばれることが「信じられない」みたいな顔で見てくる。







どうしたら良いのか分からなくなって、泣きそうになりながら研二くんに助けを求める。




なのに研二くんは顔の前で両手を合わせて謝ってくるだけで、全然助けてくれなかった。







もう良いもん。研二くんのばか。








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