検索窓
今日:783 hit、昨日:860 hit、合計:1,514,289 hit

025 ページ26









「んで、見た目はガキ一人のお前は何してんだ」



「あそびにきた!」



「かーちゃんはどうした」



「ママはお仕事だからいないよ。行くなら一人で行ってきなさい、って言われたの」



「……」







まだ出会って三回目だけど、最近のじんぺーちゃんはよくサングラスを取ってくれるようになった。




サングラスをかけてるじんぺーちゃんより、かけてないじんぺーちゃんの方が私は好き。



だって可愛いお目目してるから。






でもこの前ファミレスでそのこと言ったら、「誰が可愛いだ」って怒られた。



なんか、じんぺーちゃんは可愛いが嫌いなんだって。




せっかく可愛いのにね。







「じんぺーちゃんはここで何してるの?」



「喫煙」



「それは見ればわかるよ。じんぺーちゃんもう歳とったの?」





「やめろ全力で煽んな。……俺はまぁ、観覧車見に来たんだよ」



「え!そうなの!わたしもかんらんしゃ乗るから、いっしょだね!」







そう言って観覧車のチケットを見せると、じんぺーちゃんは可愛い瞳を大きく見開いていた。




それからすぐに顔を歪めて、「ちっ」と舌打ちを溢す。



え、私何か悪いことしちゃったかな。





急な舌打ちにびっくりして研二くんを見上げる。



すると研二くんの方も何やら難しい顔をしていて、なんだか、私だけが置いてけぼりにされたみたいだった。





多分、子どもには分かんないこと、ってやつなんだと思う。




早く分かるようになりたいな。







「……A、悪いことは言わねぇ。今日観覧車に乗るのはやめろ」



「え、でも、チケット今日まで……」



「観覧車なら俺がいつでも連れてきてやる。だから、な。今日は我慢してくれ、A」







申し訳なさそうに微笑んだじんぺーちゃんが、私の頭をそっと撫でる。




じんぺーちゃんがこんなにもお願いしてるんだ。


わがままな子だって思われない為には、ここで素直に頷くべきだって、頭では分かってる。






なのに頷きたく無いって思うのは、どうしてだろう。




嫌な予感がする。







「……ほんとに、かんらんしゃ、連れてきてくれる?うそじゃない?じんぺーちゃん、居なくなったりしない……?」



「しねぇよ。あいつの頼みだ。お前を置いてどっかに行くなんてことは、絶対にしない」







なんなら指切りするか?


という言葉と共に立てられた、じんぺーちゃんの長い小指。




恐る恐る私の小指を絡ませると、じんぺーちゃんはいたずらっ子みたいな顔で笑った。







「俺とお前、二人だけの約束だ」







026→←024



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (792 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2004人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

宮野冬姫(プロフ) - 本当ですか!ありがとうございます!! (2022年7月10日 13時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» 分かりました!変更しても物語には影響がないので、水銀レバーに変えておきます! (2022年7月10日 9時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうなんですか!でも、松田は水銀レバーと言っていたので個人的はコナン世界に合わせてほしいです。生意気なこと言ってすみません (2022年7月10日 9時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» コメントありがとうございます!ご指摘に関してですが、現実世界だと水銀レバーではなく水銀スイッチというらしくて、間違いではないです!多分無駄にリアリティーを追求してしまったんでしょうね(笑)ご指摘ありがとうございます! (2022年7月10日 9時) (レス) @page29 id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 028の爆弾のお話、水銀スイッチではなく水銀レバーですよ!! (2022年7月9日 23時) (レス) @page29 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:無糖 | 作成日時:2021年6月13日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。