015 ページ16
.
結果として、俺は諸伏ちゃんに関する情報を手に入れることが出来た。
警視庁ではない【警察庁】の方まで出向いて漸く、である。
調べると、諸伏ちゃんと降谷ちゃんはどちらも公安部という所に所属していた。
諸伏ちゃんの方は警視庁の公安部、降谷ちゃんの方は警察庁の公安部、という違いはあるが、まぁ細かいことは取り敢えず置いとこう。
そして調べている過程で分かったことだが、この公安部の仕事は非常に危険なものが多い。
部署に出向いただけで血まみれの人間が数人居るって何事?
俺もう怖いんだけど。
しかも外部との連絡は極力遮断。
友人はおろか、家族や親族にさえ自分の所属を公開することはあまり良しとされていない。
特に、現在危険な任務に潜入している人間は身分すらも偽っている。
「こちらバーボン。頼まれていた仕事は片付けましたよ、ベル」
そう、この目の前で車にもたれ掛かりながら独り言を零す男もその一人だ。
耳に手を当てているところを見るとインカムでも付けているのだろう。
『バーボン、か』
ついこの間も聞いた単語を復唱する。
あの時、Aちゃんから「バーボン」という単語を聞いた諸伏ちゃんはどう考えたのだろうか。
変に疑っていなければ良いが。
「___バーボン、今終わったのか?」
「……なんだ、スコッチか」
「なんだってなんだ。そんなにライが良いなら呼んでもいいぞ?」
「やめろ。あいつじゃなくて安心したって意味だ」
噂を(してないけど)すればなんとやら。
降谷ちゃんと同じく【スコッチ】という名を持った諸伏ちゃんがどこからともなく現れ、合流する。
バーボンとスコッチ。
こんなところでも仲がいいのかこの二人。
「…………そういえば、前に言っていた子供の話。結局どうだったんだ?」
これ以上の収穫は無さそうだ。
そう思って離れようとした俺を、降谷ちゃんの言葉が引き止める。
___子供。
彼がその単語を口にする心当たりは、ありすぎるほどある。
「あぁ。…………残念だけどそれらしい記録は出てこなかった。ただの少女としか思えない」
「だが彼女はスコッチの本名を知っていたんだろ?」
「それなんだよなぁ……」
これは、完全に疑われちゃってるなAちゃん。
……どう考えても俺のせいなんだけど。
今度の晩ご飯は豪勢にしておこう。嫌われたくない。
.
2003人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宮野冬姫(プロフ) - 本当ですか!ありがとうございます!! (2022年7月10日 13時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» 分かりました!変更しても物語には影響がないので、水銀レバーに変えておきます! (2022年7月10日 9時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうなんですか!でも、松田は水銀レバーと言っていたので個人的はコナン世界に合わせてほしいです。生意気なこと言ってすみません (2022年7月10日 9時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» コメントありがとうございます!ご指摘に関してですが、現実世界だと水銀レバーではなく水銀スイッチというらしくて、間違いではないです!多分無駄にリアリティーを追求してしまったんでしょうね(笑)ご指摘ありがとうございます! (2022年7月10日 9時) (レス) @page29 id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 028の爆弾のお話、水銀スイッチではなく水銀レバーですよ!! (2022年7月9日 23時) (レス) @page29 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:無糖 | 作成日時:2021年6月13日 18時