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______私が初めて研二くんを見たのは、今から四年前のこと。
『あ、おはようお嬢ちゃん。よく寝てたなぁ』
彼は寝起きでぽあぽあしている私にそう声を掛けてきた。
けれどまだぽあぽあしてるから、その時は全然怖くなくて。
ちゃんと状況を理解したのは、目を擦って、お布団から出て、ママの姿を探した時。
改めて男の人を見て、私は固まってしまったのだ。
この人、知らない人だ______と。
「びええええええ!!!ママああっ!!ママあああああッ!!!」
『うわぁ!やっべぇっ!そりゃ泣くよね!知らない人居たら泣いて当たり前だわ!お嬢ちゃ〜ん、大丈夫だよ〜怖くないよ〜??お兄さん人畜無害なただのイケメンさんだよ〜!!ほら、ベロベロバァ!』
「うえぇえええええんっ!!!!」
『ママあああああ!!!俺もヘルプぅううう!!!』
そこからはもう泣き声の大合唱だった。
びえびえと居ないママの名前を呼び続けて十分。
少しの間買い物に行っていただけのママは、訳もわからず大泣きをする私に大層びっくりしていた。
どちらかと言えば昔からあまり泣かなかった私。
そんな私が大号泣してるから、ママも必死になってあやしてた。
「Aちゃんそんなに泣いてどうしたの〜ママが居なくて怖かったの?」
「まぁまあああああっ!!ママああああっ!!」
『ママさんごめんなさい俺のせいです……』
「やらぁあああっ!!ママあれやだああああ!!!!」
『あれ呼ばわりの俺』
「あれってどれよ〜そっちには何もないわよ?」
「やだやだやだああああ!!!こらいでえええええっ!!!!」
『……俺のガラスメンタル……』
その日から暫くはママから離れることが出来なかった。
保育園に送って行っても全く離れようとしない私に、ママはすっごく困ってて。
毎日のように保育園の先生に引き離されては朝から大声で泣き喚いた。
色んな人を困らせてることは幼いながらに分かってた。
分かってたけど、当時の私は男の人が怖かったから、余計にその知らない男の人が怖かったんだ。
『Aちゃん、Aちゃん!俺花冠に作ったんだよね!どう?可愛くない?着けたくならない?』
「やあぁあああ!!ちかじゅーちゃめぇえええ!!!」
『相変わらずの嫌われ具合なことで』
でも、そんな私にも研二くんは優しく寄り添ってくれた。
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宮野冬姫(プロフ) - 本当ですか!ありがとうございます!! (2022年7月10日 13時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» 分かりました!変更しても物語には影響がないので、水銀レバーに変えておきます! (2022年7月10日 9時) (レス) id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - そうなんですか!でも、松田は水銀レバーと言っていたので個人的はコナン世界に合わせてほしいです。生意気なこと言ってすみません (2022年7月10日 9時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
無糖(プロフ) - 宮野冬姫さん» コメントありがとうございます!ご指摘に関してですが、現実世界だと水銀レバーではなく水銀スイッチというらしくて、間違いではないです!多分無駄にリアリティーを追求してしまったんでしょうね(笑)ご指摘ありがとうございます! (2022年7月10日 9時) (レス) @page29 id: 24145c4343 (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 028の爆弾のお話、水銀スイッチではなく水銀レバーですよ!! (2022年7月9日 23時) (レス) @page29 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無糖 | 作成日時:2021年6月13日 18時