1．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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研二くんはいつも、【死んだから】とか【もう居ないから】なんて後ろ向きな言葉は使わない。




幽霊なのにいつだって私達より生き生きしてて、いつだってその笑顔を私に分け与えてくれる。








研二くんの冷たい指先をぎゅっと強く握った。





こうやって彼を捕まえることが出来るのは私だけなんだって、だったら絶対離してあげないって。



無力だけど、そんなことを思ったんだ。








「……Aちゃのいと、きれない？」



『当たり前だろ？今なんて俺の手首にグルグル巻きなんだから！切っても切れないね！ていうか誰にも切らせねーし！』







この糸が切れるのは、君が誰かを愛するようになった時だよ。




まだ子供だった私には、研二くんのその言葉の意味が分からなかった。








＿＿＿＿＿＿それから月日は流れ、小学一年生の入学式。





研二くんと話し合って選んだ赤色のランドセルを背負い、いざ学校へ。



私は今日、この帝丹小学校に入学する。








『最近のランドセルは種類が豊富だな〜』





「けんじくんはランドセル何色だったの？」



『俺？俺は無難に黒だったよ。じんぺーちゃんも確か同じ色じゃなかったかな』







真新しい校舎の廊下を歩きながら、周りの人に聞こえないように研二くんとお話しする。





他の子はママやパパと一緒だけど、私は一人。




ママ、今日もお仕事で来れないんだって。


ママは働きもので、どこかで社長さんをやってるから、あんまり行事には来てくれない。



保育園でもママが来てくれたのは初めての運動会だけだった。







普段なら寂しくて泣いてたこの時間。




だけど研二くんがそばに居てくれるようになって、不思議と寂しいって気持ちは薄れていた。







「じんぺーちゃん？」



『あぁ、そっか。Aちゃんは知らないんだもんな。じんぺーちゃんって言うのは、俺の大親友で幼い頃からの腐れ縁！くるくるパーマがトレンドマークのツンデレ男！その名も松田陣平！のことだよ』





「んん？……まつしたじんのすけ？」



『え、誰それ俺知らない』







よく分からないけど、そのじんぺーちゃんって人と研二くんは仲良しなんだってことは分かった。




でも研二くんは私とも仲良しなんだから！


じんぺーちゃんって子の独り占めにはさせないもんね！




そんな決意を胸にふんっと息を吐くと、隣で研二くんは「？？？」って顔を浮かべてた。








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