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25話 ページ27

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「女性にこういう事を聞くのは不躾だと承知しているが、君はいくつなんだ?」



煉獄さんに連れられて、雨宿りに入ったのは古風な店だ。

店の人に手拭いを借り、濡れそぼった髪の水分を抜いていると、煉獄さんは顎に手をやり私に聞いた。年齢の概念は私はもうない。

しかし、改めて自分の歳について考えると、正確なものはわからない。



だいたい300年前で今は大正時代で……江戸時代後期ぐらいになるだろうか?

肉体年齢は20も超えていないと思うから……



「だいたい300歳くらい、生きてますね」

人の寿命とは歴然な特異さ。
煉獄さんはさして驚かなかった。そう言えば、私はこの人より年上なんだ……。


『体はたぶん、17くらいですかね』


「ん…?!」


付け足した言葉に煉獄さんは驚いた。そんなに驚くの?
もしかして、老けて見えたり、妙齢の風に見えたりしたのか。それだと少し傷つく気がする。


「そうか……君は、俺より……そうか…」

今度は口を抑えて震えて、私を見ている。


「いや、存外、可愛らしいな……やはり」

私の年齢が???



いつもと違った煉獄さんに私は思わず笑ってしまう。

負の感情が体から抜けて、外は雨だが、私の気分は晴れやかだ。




なんというか、この人といると落ち着く。
普段張っている警戒と神経を鋭くする必要がない。
自惚れてしまうと、包まれている感覚に途方もない安堵が込み上げる。




『なんだか…凄い落ち着きました』


息をついて答えると、少し周りが静かになった。

雨の騒音があまり聞こえない。









『少年の里親、決まりそうです』


私にとって、それは嬉しい死刑宣告で、自分の声が脳に反響した。

煉獄さん、やっと私を殺せますよ。




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おもち - 赤い花白い花の歌詞が入っていてとても惹き込まれましたー!とても素敵です!!! (2020年3月24日 21時) (レス) id: 2fd70573e8 (このIDを非表示/違反報告)
茄子(プロフ) - 小説も挿絵も何もかもがとても素敵でした……素晴らしい作品をありがとうございます…… (2020年1月25日 23時) (レス) id: 58113d68f6 (このIDを非表示/違反報告)
モルス(プロフ) - 涙が止まりません……こんな素晴らしい作品をどうもありがとう…… (2019年12月2日 14時) (レス) id: d7cc26133c (このIDを非表示/違反報告)
愛郎素(プロフ) - 香坂さん» 語彙力が!高い!!よもやよもやです……本当に書いていてよかったと感じました!これからも頑張ります! (2019年10月12日 14時) (レス) id: 56f98660a0 (このIDを非表示/違反報告)
香坂 - 言葉使いや書き方、表現に引き込まれました。一つの本を読み終えた時のような気持ちになり、とても良い作品だと心から思いました。このお話が読めてよかったです。 (2019年9月18日 17時) (レス) id: c6f322a1f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:愛朗素 | 作成日時:2019年8月30日 21時

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