素行不良生徒 ページ2
素行不良の女生徒A
「ほら、挨拶しろ」
『ぉはよーございます……』
なるほど、俺は朝、担当の教室の朝学習の監督でこの時間帯は職員室にはいないのだが、
彼女____阿武 Aは首根っこを掴まれ、職員室に連行されるらしい。
げんなりと職員に向け挨拶をする彼女の姿勢には感心するが、学生としての姿勢はアウトだ。
誰が見ても。
しかし、職員達も慣れたもので、中には微笑ましいといった表情で挨拶を返す者もいた。
「来い、阿武」
『…はーぃ』
冨岡の座席は俺の隣り。
「おはよう、冨岡」
「ああ、煉獄」
『おはようございます……』
「うむ、おはよう」
校門での威勢はどこへやら。
首根っこを掴まれた阿武少女は気力のない挨拶をした。
ガサゴソとデスクを漁る冨岡に「冨岡先生ー校長先生がお呼びです」との声がかかった。
噂では、冨岡のスパルタ教育の所為でPTAからの苦情がすごいらしい。
「悪いが、煉獄。コイツの洗顔を見張っててくれないか」
「洗顔?」
阿武少女は酷くうっとした、嫌な顔をする。
冨岡が俺に渡して寄こしたのはカゴだ。
「化粧を落とさせる。これが『阿武A洗顔セット』だ」
カゴにはメイク落としに洗顔料、スポンジ、コットン、ヘアバンド、乳液や化粧水が入ってあった。
「よもや……」
カゴに貼られたテープには確かに阿武Aと太い字で書かれてある。
しかも、一年と二年にバッテンが記され、端に三年と小さく書いてある。
よもや……この少女は懲りずに三年も職員室に連行されていたのか。
「それじゃあ、頼む」
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クラゲ(プロフ) - 続きがめっちゃ気になる (2019年9月5日 20時) (レス) id: 3962cab233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛朗素 | 作成日時:2019年8月27日 20時