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30話 ページ33

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出やがったな、この野郎……!!!




私は心の中で叫ぶ。

私と目の前に毅然と姿を現し、「俺の信者になろうよ」「そっか、なら殺す」などとほざいた頭のとち狂った「上弦の弐」がまた姿を見せた。

こうなれば、神様仏様を呪うしかない。

こんな役にも立たない男難を授けやがって、どういうつもりだ。



廊下で正座する私の前にしゃがんで、にっこり笑っている。
何するつもりだこの野郎……。



『い、いえ……人違いじゃありませんでしょうか、お客様』


「そ〜かなァ、一度見た美人の顔は俺忘れないんだが……」


『あはは……、』


「君、面白そうだから俺のお酌してよ」



開けれられた虹色の虹彩は不敵に細められた。目に刻まれた文字が歪む。

そう、私の嘘はもうバレている。私の印象はこの鬼にとって強烈だったし、この鬼の印象は私にとって強烈だった。

鬼はお見通しなのだ。



有言実行。上弦の弐は腕を引っ張って、私を座敷に招いた。
朝日太夫が座るべき位置に私を置いて、敵である私を剣の間合いに入れている。

朝日太夫とその他の娼妓達や店の人間の混乱した顔が時より見える。


ここまで来たら、この鬼にペースを合わせるのが出来た答えだろう。
私は徳利を手に取った。手の震えはない。
完全な集中状態と言える。殺気を隠す必要もない。私はこの鬼に全て合わせる。


「随分と手馴れているなあ」


『経験があるので』


「遊女の経験かい?」


『滅相もない、体を売ったことはありません』


「だろうね。体を売っていたら、あんな動きはできない。肌も綺麗だ。特に頬」


人差し指で頬に触れられると、ぞわりとした。



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(プロフ) - 更新待ってました!嬉しいです…! (2019年12月30日 15時) (レス) id: 64286635fd (このIDを非表示/違反報告)
はっか糖(プロフ) - 作品の雰囲気が素敵です… 有難うございます…!! (2019年11月8日 21時) (レス) id: 5853246d58 (このIDを非表示/違反報告)
愛郎素(プロフ) - ぶちゃさん» だ、大丈夫か!!!!!! (2019年11月4日 17時) (レス) id: 56f98660a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぶちゃ(プロフ) - あっっっっっ(尊死) (2019年11月4日 16時) (レス) id: fb2695ac36 (このIDを非表示/違反報告)
愛郎素(プロフ) - オルガさん» 頑張ってます!!ありがとうございます!!返信遅れてすみませんでした!これからもよろしくお願いします! (2019年11月4日 15時) (レス) id: 56f98660a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:愛朗素 | 作成日時:2019年10月27日 10時

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