百日草 (ページ3)

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○ ページ3

青side

あれ、俺寝てたっけ。

天井が見えるので恐らく寝かされているんだろうが、眼の奥が痛いし、なにより頭がふわふわしていてどこまでが現実でどこからが夢だったか分からない。

北斗が居なくなったのは悪夢か、残酷な現実か…。

「あ、樹。目覚めた？」

髙地の声が聞こえた。声の方へ首だけ動かせば、明らかに泣き腫らした顔の高地。現在進行形で泣いてるジェシー。そして呆然とした様子のきょもと慎太郎。

そこに北斗は＿＿＿＿＿＿＿＿居ない。

「俺ら最初から居れなくてごめんね。さっき来たところ。話聞いたよ。」

「そっか。」

「樹が起きたら話し合いしたいって滝沢くんが。体起こせそう？」

どうやら俺は倒れたらしい。言われてみれば会議室で叫んだ後、確かに記憶が途絶えている。

滝沢くんの“話し合い”が北斗の件であることは分かってる。

辞表は受け取らないとは言っていたけど、北斗が辞める意思を持ってあれを書いたのは事実なんだ。

５人でやっていけと言われるのだろうか。はたまたSixTONESは解散だと言われるのだろうか。どっちにしろ北斗のいない未来なら、一人欠けたSixTONESなら、そんなの何も無いに等しい。

どうしょうもない虚無感から髙地の言葉に返事をすることも出来なくてぼーっとしていれば、背中を支えて起こしてくれた。

SixTONESの楽屋とは到底思えないような静けさが耳につく。

最近の北斗は6人の楽屋が楽しくてしょうがないようだった。はしゃいで、誰かにちょっかいかけて、仕事が終わってもなかなか帰ろうとしない。

だれよりも楽屋ではしゃいでた北斗が1人いないと、途端にこうなるのか。

重苦しい静寂に、また目眩がした。