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綺麗になることは一朝一夕ではいかないというのは当たり前のことだ。それは誰でも知っている。肌を美しくすることも、似合う洋服やお化粧やアクセサリを見つけることも、全てに時間がかかるのだ。
劇的な変身とは幻想なのである。
美容室に行って髪を整えて、眉も切り揃えて、それから爪も綺麗にコーティングして。
くびれを作って、華奢な身体になって、似合った服と、コスメを買う。
やることはいくらでもある。いつでも始められる。
思い切って1ヶ月ほど休みを貰ったっていい。
Aはお湯に浸かりながら思案した。総統は休暇を許可してくれるかしら。あの人は毎日が休暇だから、きっと大丈夫よね。
グルッペン・ヒューラーという男は凄まじいカリスマ性と戦闘への執着で身体が構成されているような男で、恐ろしい戦闘狂だった。
この前は戦争のキッカケをどうにかして作りだすために、某国に輸出する茶葉に麻薬を入れて、その国の国民を手間暇かけて薬漬けにして、なんなら軍の内部まで薬でビタビタにして、第二のアヘン戦争みたいなことをしていた。
最初は義理に厚いクールな男かと思うだろうが、彼は案外その狂気的思考を周りに隠そうとはしないので、結局ウチの軍にはふるいにかけられた軍国主義の兵士が残るのだ。
Aはしかし、この男の弱点を知っていた。
だから強気に彼に話を持ちかけることもできた。
「総統、今日から1ヶ月休暇をいただきます」
「はい？」
「一言許可をいただきたく、参りました」
「エ？」
グルッペンはとぼけ顔でAを見た。初めて深海魚を見た五歳児の顔だった。まさかそんなことを言うなんてと大きく書いてあったので、Aは少し笑ってしまった。
「それで総統、許可を」
「…いや、待て。A大隊長ご自身のお仕事が終わってないのではないか？それやってからでもよくない？」
「私のやるべきことは全て終わらせております」
Aは口を半開きにして座ったままの総統にキッパリと断りをいれた。
しかし彼はきっと食い下がってくるだろう。そうしたら、…しょうがないから、あれを言おう。
Aは普段グルッペンがやっている立ち方をした。足を閉じ、顎を引く。首をほんの少し傾ける。ひっつめた毛束が帳を作り出す。グルッペンは今座っているから、Aがグルッペンを見おろしているという状況になる。すると、少なからずわたしがお願いをしているという感じは薄れていた。
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飼い主の姉(プロフ) - pnさんが夢主に狼狽する姿や描写が可愛くて好きです〜…！！🫶 無理しない程度に更新頑張って下さい！ 応援しております (12月5日 14時) (
レス) @page12 id: 5ee2b54502 (このIDを非表示/違反報告)
_maimai0101_(プロフ) - ｽｷﾃﾞｽ……夢主ちゃん頑張って〜〜〜〜！！！！生姜焼き太郎さんの世界観好きすぎます……！！！続き楽しみです🫶更新待ってます〜！！！！！ (10月16日 17時) (レス) @page8 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 読みやすくて、とても面白かったです。続きも楽しみです🫶🏻🫶🏻 (10月16日 13時) (レス) @page8 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生姜焼き太郎 | 作成日時：2023年10月15日 11時
