The Day I Fell In Love With You｜[赤]

９＊ ページ9

しばらくは家に帰れへんやろうな。



そう思っとる間バスの中から景色をぼーっと見とった。








走り疲れてから見つけた近くにあった大きなバス停。思いつきでバスに乗ってしもうた。




飛び出してきたから携帯と財布しか持ってへん。



いや、それさえ持っとったらなんとかなるやろ。

逆にラッキーやん。





でも着替えがない。





結構走ったからT−シャツは汗でずぶ濡れ。


他の人から見たら怪しいしちょっと怖いやろうな。




外の景色に段々海が見えてきた。

バスに乗ってからどれぐらい経ったやろう。一時間ぐらいかな。





ア「ターミナル１前〜ターミナル１前〜近畿国際空港にお越しの方はこちらでお降りください。」



そろそろおりやんとバス代がめっちゃ高くなるやろうし、もう思い切って沖縄とかでもいこっかなぁなんて想像しながらバスから降りた。



’


’


’


あの頃の俺はまさかほんまに飛行機に乗るとは思ってへんかったやろ。しかも一番ここから遠くって安い便やったため沖縄やなくって真逆の北海道に行くとは。



神ちゃんのソファーにくつろぎながら何も入ってない財布の中を悲しく見る。



またバイト始めやんと。



１ヶ月前急にやめてしもうたし、迷惑もかけてしもうた。









ほんまにこれからどうすればええんやろう。



今まで通り、大学行ってつまらん講義とか聞かなあかんかなぁ。




オトンの言ったとおり、俺には将来の夢など何もない。







じゃあ、これまでは何のために勉強して大学に受かったんやろう。


そして、これから何のために頑張っていけばええんやろう。









俺はいつ '生きとる’って感じさせられるものに出会うんやろう。




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嘘の空港名を使いました。

実際に近畿国際空港なんて存在してない…はずです。

あと、、、バスのアナウンスってあんなんだったっけ？

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