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1ヶ月前、土砂降りの日に姉ちゃんが買い物行ってくるって、出て行った。
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重「ほんまにこんな雨ん中行くん?」
さ「大丈夫、すぐ帰ってくるから。あ、もし淳太くんが私が帰ってくる前に来たらお茶とかちゃんと出してあげて。」
重「それぐらい知っとるわ。」
さ「大毅の傘借りるね。じゃあ、行ってきます。」
重「おう、行ってらっしゃい。」
姉ちゃんはつい先月、彼氏の淳太さんにプロポーズされたため、最近幸せオーラが溢れ出てる。
朝起きた時なんか、ソファーで自分の左手薬指にはめてある指輪を見つめながら気持ち悪く笑とったし。
実家暮らしの俺にとっては、姉ちゃんが家を出て行くってことは俺とオトン二人になるってことやから、ちょっと寂しい思いをしとった。掃除から洗濯から飯まで何もかもやってくれとった姉ちゃんがおらんくなったらどうやって生きていこう。
そんなアホな悩み事をしながら、ちょっとでも慣れた方がええと思って2階を掃除した。
姉ちゃんの部屋も引越しの準備が進んでいて、あまり物が置いてない。残っとるのはベッドと、机と、その上に置いてある写真立て。
重「懐かしいなぁ」
家族四人で夏休みに北海道へ旅行した時。
まだ小3の俺と中1の姉ちゃん。
オカンのリクエストでラベンダー畑を見に行った。
写真の中の俺たちは輝いているように笑っとる。紫のラベンダーがバックにあって、めちゃくちゃ天気がええ。オトンと俺が花粉症やったから大変やったな。よく見れば目がちょっと赤い小3の俺。その後ろに立っとるオカンは黄色いワンピースを着ていて綺麗だ。
オカンも見たかったやろうな、姉ちゃんのウエディングドレス姿。
オトンは姉ちゃんの結婚が決まってから毎日のように「さやは怖いぐらいオカンに似とるなぁ」って言っとる。この写真見るとほんまにそうやなぁって思う。
そんなこと考えとったら、急に電話が鳴った。
重「はいはい。」
今は俺が一人家で留守番。休みなのに、オトンは朝早くから家族で経営しとる食堂で準備をしとる。姉ちゃんもそこで働いとって、ここら辺に住んどる人はみんな知っている自慢の看板娘だ。
今夜近所のみんなと食堂で姉ちゃんの「婚約おめでとうパーティ」をする。
淳太さんと姉ちゃんが帰ってきたら3人で淳太さんの高級車に乗って食堂に向かう予定だ。
掃除機のコンセントを抜いて、電話が置いてあるリビングまで急いで階段を降った。
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鳥(プロフ) - rinri1005さん» rinri1005さん、コメントありがとうございます!どうなるかわからないですが、挑戦してみます! (2017年12月30日 22時) (レス) id: 5fd9b08496 (このIDを非表示/違反報告)
rinri1005(プロフ) - 英語が苦手なのでぜひしていただきたいです! (2017年12月29日 23時) (レス) id: 0d7ca82480 (このIDを非表示/違反報告)
鳥(プロフ) - hinaさん» 初コメ嬉しいです!頑張ります! (2017年12月19日 20時) (レス) id: 5fd9b08496 (このIDを非表示/違反報告)
hina(プロフ) - メッセージありがとうございます!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月19日 20時) (レス) id: 2e7b7af78f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=kawaieri612
作成日時:2017年12月9日 8時