少年と赤薔薇の庭園 ページ5
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「リドル!問題集が終わってないじゃないの!帰ってくるまでに二週しなさいと言ったじゃないの!なんでルールが守れないの? 今日はこの問題集を完璧にするという約束でしょう!」
そう大声でまくし立てたお母さんに、リドルくんは涙目になって黙ってお母さんの話が終わるまで待つ。
「はあ…。このままじゃ週のノルマが終わらないわ。リドル、罰として、今日はこの問題集をあと五週やりなさい」
その言葉にリドルは目を見開き、そして俯いて、ごめんなさいお母様、と小さな声で謝った。
さすがに見てられなくて、俺は間に入った。
「お母様、リドルくんを叱らないでください。リドルくんは私を介抱してくれたんです。」
しかしリドルのお母さんは首を振って言った。
「いいえ。この前もこの子は勉強の時間を守らず、遊び呆けていたんですよ? しかも禁止しているお菓子まで食べて! その分を取り戻さなきゃいけないのに…」
リドルくんを見ると、小さな声で教えてくれた。
「この前、トレイとチェーニャ…友達と遊んでいたら休憩時間を過ぎてしまったんです。あと、砂糖の多いものは禁止されているのに、いちごタルトを食べてしまったから………」
親の教育方針は色々あると思う。
お母さんもリドルくんを痛めつけようと思ってしているわけではないと思う。
けれど、リドルくんから「笑顔」を奪うのは、果たしていいことなのだろうか。
リドルくんの好きなもの、リドルくんが楽しいこと、それを取り上げてしまうのは本当にいいのだろうか。
このままでリドルくんは幸せなのか。
これは俺の夢。
俺は決意する。
俺の望む
ーーー俺は
自信過剰かもしれない。
けれど、俺がなにかすることでなにかが変わるとするならば、変えるように行動すべきだろう。
ソファから起き上がってリドルくんを抱えるように抱きしめる。
困惑する二人を後目に、
「うわっ、…?!」
「リドル!! この不審者、リドルを降ろしなさい!」
「お前といるとリドルは笑えない。だからリドルは俺が攫っていく!!」
想像したどおり身体が段々と地面を離れていく。
リドルくんが落ちないようにしっかり抱えながら、俺は開いた窓から大空へと飛び出した。
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ババロア - とてもこの作品📒🔖が好き😻🫶💕です❣️無理せず更新🆕頑張ってください‼️ (1月2日 11時) (レス) @page19 id: 8d5fad07b1 (このIDを非表示/違反報告)
とまとじゅうす - アーーーーーーーー!!!!!!!!!!!好きーーーーーーーーーーーー!!!!(唐突な告白)続きが気になりすぎて夜しか眠れません!!更新楽しみにしてます!! (2023年4月16日 12時) (レス) @page19 id: a1abbce39e (このIDを非表示/違反報告)
乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!こういうの初めて見ましたけどめっちゃ好きです!夢主の愛されいいですよね!私愛され大好物なので嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月19日 6時) (レス) @page19 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
もぶ(プロフ) - この作品大好きです!何回も読ませて頂いています。更新待ってます! (2022年8月6日 17時) (レス) @page19 id: 38a56b994f (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 上手く言えないですけど、今までにない素晴らしい作品だと思います。続きが気になって仕方ありません…。必ず読みますので、更新していただけないでしょうか。 (2022年4月28日 20時) (レス) @page19 id: 7c958e334b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きさらぎはるか | 作成日時:2020年10月2日 19時