少年と獅子の王国 ページ8
▽
しばらく見ていると、遠くからお付きの人を連れて年上の大きなライオンの人がやって来て、男の子を叱った。
「レオナ！何故こんなことをした！」
「こいつらが俺の悪口を言っていたんだ！ 俺は、俺はどんなに頑張っても兄上を越えられないって！」
ライオンの男の人は考え込んでから、男の子の頭を撫でて言った。
「越える越えないじゃないんだ、レオナ。ファレナが王位を継いだらレオナがそれを支える。昔からのしきたりだ」
その手を振り払って男の子は吠える。
「しきたりってなんだ！ 俺だって、俺の方が兄上より優秀だ！俺の方がいい王様になれる！」
「滅多なことをいうな、レオナ！ お前はこの国に争いをうみたいのか！！」
グルルルウ！という唸り声とともに、ライオンの男の人は怒鳴った。
怒鳴られたのはレオナくんとかいう男の子なのに、隠れてみている俺まで叱られたようで、はらはらしてしまった。
というか、これ、聞いても良かったのだろうか。
王位継承問題なんていうデリケートな問題、夢とはいえあまり知ってはいけなかったような気がする。
「ッッ、父上の馬鹿！」
見つかる…！
そう思ったけれど、レオナくんは周りなんて見てないようでそのまま俺の前を走り去ってしまった。
ライオンの男の人はやれやれと頭を抱えると、周りの人をそのまま引き連れて、俺がいる柱とは反対方向に歩いていってしまった。
男の人の言葉がなんとなしに頭をよぎる。
“昔からのしきたりだ”
似たようなことを俺も言われた。
“可哀想だがこれも運命だ”
“人生には色々あるものよ”
“もう終わったことだろう？”
「ッ…」
堪らなくて俺は男の子の後を追った。
。
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きさらぎはるか(プロフ) - 茶茶さん» その言葉が最高に幸せです！遅筆で本当に申し訳ないですが、できる限り頑張ります。読んでくださってありがとうございます！続編もお楽しみ頂けると幸いです！ (2020年10月2日 19時) (
レス) id: 25ad4ecffd (このIDを非表示/違反報告)
きさらぎはるか(プロフ) - アイトさん» 前から読んでくださってるとは本当に嬉しいです。ありがとうございます。遅くなりましたが続編作成致しましたので、そちらもお楽しみ頂けると幸いです！コメント励みになります！ (2020年10月2日 19時) (レス) id: 25ad4ecffd (このIDを非表示/違反報告)
茶茶 - 遅れました?!続編おめでとうございます！！この作品めっちゃおもしろくて、大好きです！これからも、無理せず更新がんばって下さい！ (2020年9月28日 22時) (レス) id: 0a249ceab0 (このIDを非表示/違反報告)
アイト - 作者様...爆死、ドンマイです。前々からこの作者が大好きで読ませて頂いていました。続編おめでとうございます。これからも楽しみにしています。夢主君ガンバレ...!! (2020年9月23日 18時) (レス) id: 480ca03fdd (このIDを非表示/違反報告)
S a t h i(プロフ) - いっぱい稼ぎますね( ^ω^ ) (2020年9月23日 18時) (レス) id: 34748ec2aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きさらぎはるか | 作成日時：2020年8月1日 19時
