レペゼン地球のこっくさん Second

わきにチョコあげてみた ページ10

オーブンから型に入ったそれを取り出す
部屋にはもう既に甘い匂いが充満していた

脇「ただいま〜うわ!めっちゃいい匂いする」
『おかえり!』

しまった、1番見られたくない人が来た

彼は様子が気になるようで、荷物を置くとすぐさまキッチンにやってきた

脇「なんそれ」
『シフォンケーキ』

私がそう言うと、彼はなにやら理解したらしかった

脇「バレンタインか」
『そうそう』

ふーんとつまらなさそうに彼はリビングのソファに寝そべる

これは元々ちゃんとラッピングして彼にあげようと思っていたのだが、まぁいっか

『脇!』
脇「なに〜?」
『来て!』
脇「なんで」
『いいけん』


えぇ〜とだるそうな彼をテーブルまで引きずり、無理やり座らせ、その目の前に焼きたてのケーキを置く

『それ、あげる』
脇「は?」
『バレンタイン』

どうやらまだ彼は状況がわかっていないらしい


『だけん、それ全部脇のために作ったと!』


そう言うと、彼は一瞬で笑顔になった


脇「マジ!?」
『マジ』


焼き立てほわほわのそれに生クリームをのせ、彼にナイフとフォークを渡す


脇「じゃあ、いただきます。」

そう言ってナイフを入れ、1口食べる

脇「うま」
『ほんと!?』
脇「食べてん」

そうして口を開けて1口貰う

『あ、おいしい』
脇「ふわっふわやね」

そうして脇がどんどん食べていく
意外と早くなくなっていくので、私も慌ててフォークを持ってくる


『本命やけんちょっとは味わって食べてよ!』


その瞬間脇がゴホゴホとむせ出す

脇「おま、本命て」
『当たり前じゃん、脇にあげるんよ?』

脇の顔が少しだけ赤くなる


脇「おまえ、俺の事すきと?」


思わず私もフォークを止める
しまった、つい本音が

脇とふたりきりで話す時、私は何故か本音が出やすい。多分、エルフの時から横にいてくれるからだろうな

『忘れて』

やばい、恥ずかしい。

顔に熱が集まる。
好きだけど、そんな面と向かって言えるわけない。無理無理無理。


脇「いや忘れきらんて、ねえ」
『だめ、忘れんばん』

2人で、色々言いながらもシフォンケーキはしっかり食べる


『あー、もう!いいけん忘れて!』
脇「いーや、絶対覚えとく!」


ついにシフォンケーキが無くなった。
おなかいっぱいだ。


脇「今言えないなら絶対いつか言わせてやるけん、待っとけよ!」


脇が鼻息荒く言う



うん、待ってる


私もいつか、ちゃんと言うから。


ｰｰｰｰｰ
シフォンケーキ
〜優しいあなたが大好きです〜

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