with Maru ページ47
『いらっしゃいませ〜』
サンタの格好をして、デパートの前の通りでクリスマスケーキを売る、寂しい夜。
「じゃ、私上がるわ」
『はい、お疲れ様です』
「後で店長来るらしいから、宜しくね。」
そう言って売り場から立ち去って言った、バイト先の同僚は、今から彼氏とデートらしい。
クソ羨ましい...
思わず呟いてしまいそうになるのを抑え、笑顔を貼り付ける。
『いらっしゃいませ〜ケーキはいかがですか〜?』
さ、寒い...
耐えられなくなって足を摩る。
何の修行よ、これ
不意にスマホが震えて、ロック画面を見れば、愛しい彼からのLINEが入っていた。
"バイト何時終わる?"
うーん、と思わず首を捻る。
とりあえず残っているケーキの写真を撮って、彼に送る。
"これ全部なくなるまで終わらない"
返信はすぐに来た。
"は、マジで!?"
...まぁ、それが普通の反応だ。
"今年は売れ行きが悪いみたいで、ちょっと遅くなるかも"
そうLINEを送って、スマホをポケットの中に入れる。
顔を上げる。
イルミネーションが眩しく光っていた。
楽しそうに笑う親子
幸せそうに腕を組んで歩くカップル
誰かと電話しながら笑ってケーキの箱を抱える男性
みんな、幸せそう...
だめだ、こんなことを考えている場合ではない。
ハッとして、冷たくなった拳をにぎりしめる。
『クリスマスケーキ、おひとついかがでしょうか〜』
早く終わらせて、まるくんに会わなければ...
.
あれから、1時間半程経っただろうか。
まるくんに早く会う、という決意は、最初こそ固かったものの、段々と寒さに負け始めてきていた。
帰りたい。
とりあえず今日はまるくんに会うのは諦めよう。
早くお風呂に入って寝るんだ。
聖夜がなんだ。
知らん。
今で帰ることしか頭にない。
「お姉さん、ケーキひとつ」
『はい!ありがとくございまーー』
きた、久々の注文、と意気揚々顔を上げると、そこには予想外の人物がいた。
『ま、まるくん、』
「寂しいかな〜と思って来た! 俺マジ優しくない?」
へへへ、と笑う彼に、思わず顔が緩む。
「うわ、結構残ってるね〜」
『うん、これ全部売らないと帰れないの』
「え、それガチなの?」
『ガチ』
マジか、と顔を顰めて彼が驚く。
時刻は午後9時
そして、ケーキは後15個
ここまで来ると、もはやこの量は発注ミスだろう、と思えてくる。
「...仕方ないか」
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はな(プロフ) - ゆりりんさん» こちらこそありがとうございます！どんどん騒いじゃってください笑これからもよろしくお願いします(;_;) (2019年10月29日 16時) (
レス) id: dc8bc131de (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - ありがとうございます！！騒いでしまいました(笑)(笑) これからも、更新ガンバって下さい！ (2019年10月26日 23時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 生理ネタ、書いてほしいです！！ (2019年7月27日 0時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!これからもがんばって書いていくので、よろしくお願いします! (2019年2月18日 17時) (レス) id: e48151f9dc (このIDを非表示/違反報告)
あお - 終わり方すごすぎ！まるのめっ↑ちゃキュンキュンしたんだけど マジこの作品好きだわー (2019年2月15日 19時) (レス) id: 66f0193b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2019年2月2日 18時
