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あぶないあぶない。
あまりの幸福感で、メインイベントを忘れるところだった。
『はい、これ。クリスマスプレゼント!』
ふ「うわ、マジ!?」
ぱぁ、と彼の表情が明るくなる。
ふふ、かわいい。
『中見知ってんでしょ?ご指定頂きましたから。』
「さっすがA、ありがと♡」
いやぁ、12月の頭にゲームソフトと例の鬼の漫画の単行本のスクショが送られてきた時は本当に肝が冷えたけど、無事に買えて本当に良かった...
「じゃあ俺も。はい、これ。」
『.....え、うわ、バック!?』
「うん。Aこういうの好きやろ?」
『うん、すき...』
心の声がダダ漏れだ。
やっぱりこの人は、私の好きな物を分かっている。
こういう所が好きなんだよなぁ...
『ありがとう、嬉しい...』
「待った!これで終わりじゃない!」
『ん?』
毎年の流れだと、クリスマスプレゼント交換はここで終わりなのだが...
待ってて、と一声かけて、彼が自室へと消える。
な、なに、怖いんだけど。
おしっこでも出てくるの?
それから少しして、妙にそわそわした彼が、私の横に座る。
何かを後ろに隠したまま。
『え...なに? 蜘蛛だけはやめてよ。キレるけんね?』
「違ぇわ!!!」
はぁ、と呆れたようにため息をついたかと思うと、打って変わって、彼は真剣な眼差しで私の目を見つめる。
なに、何を考えているの?
「Aサン」
『は、はい、』
「手を、出してください」
『えー...』
怖い...
そう言われて渋々右手を出すと、
「違う!左手!」
『へ、』
え、ちょっと待った、
彼の手に握られた小さな箱が目に入った。
うそ、嘘でしょ
『ね、ねぇ、』
「いいけん、出して。」
恐る恐る左手を出すと、彼はぎゅっと手を握る。
それから、私の薬指にダイヤのリングをゆっくりと、指先に優しさを滲ませながら嵌めた。
『あ、うわ..』
「 不束者ですが...」
『ま、待って!』
あぁ、泣きそうだ。
『なんで、なんで私?』
「...え、いや、言わんと分からん?」
『分からん、え、ちょ、ほんとに頭働かん、』
混乱してきて右手で顔を口元を抑えてしまう。
『誤解、しちゃうよ、』
「ふはっ、よくいうわ、」
そうして、彼は顔を抑えた右手を強引に剥がし、
『っん、』
強引に口付けた。
少しして、苦しくなってきた私が胸板をぽんぽんと叩くと、彼は名残惜しそうに離れる。
頭が甘く惚けている。
「これからはちゃんと家事も仕事も頑張る、ので、」
「ずっと一緒に、居てくれん?」
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はな(プロフ) - ゆりりんさん» こちらこそありがとうございます!どんどん騒いじゃってください笑これからもよろしくお願いします(;_;) (2019年10月29日 16時) (レス) id: dc8bc131de (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - ありがとうございます!!騒いでしまいました(笑)(笑) これからも、更新ガンバって下さい! (2019年10月26日 23時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 生理ネタ、書いてほしいです!! (2019年7月27日 0時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!これからもがんばって書いていくので、よろしくお願いします! (2019年2月18日 17時) (レス) id: e48151f9dc (このIDを非表示/違反報告)
あお - 終わり方すごすぎ!まるのめっ↑ちゃキュンキュンしたんだけど マジこの作品好きだわー (2019年2月15日 19時) (レス) id: 66f0193b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年2月2日 18時