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『きっつ』
レペゼン地球のコックことAは、みんなの心配をよそに、ビニール袋とトイレットペーパーを足元に起き、公園のベンチで鉄分ドリンクを飲んでいた。
『生理ってやっぱヤバいな...』
もともと自分の生理痛の酷さは理解していたものの、やはりきついものはきつい。
そうして、夕陽のおかげで赤く染った空を、薬のお陰で痛みが和らいできた下腹部をさすりながら見つめる。
『綺麗だなぁ』
すると、背後で足音が止まった。
ま「A...」
『ん、まるくん』
ゼェゼェと肩を揺らしながら、彼は私の横に腰かけた。
ま「無事でよかった...」
『ど、どうも...』
真っ赤な頭を抱える彼を訝しげに見つめる。
あ、そうか、もしかしてさっきので...
『大丈夫だよ、心配しないで』
ま「...」
拳をぎゅっと握りしめて、彼は下を向き続ける。
『さ、帰ろうか、みんな待っとるし!』
ま「そ、そうやね。.....それ、持つよ!」
『わ、ありがとう!』
いつになく優しい彼をじっと見つめる。
赤い髪が、夕陽のせいでさらに赤くなっていて、とても綺麗だ。
『まるくんは、綺麗だね』
ま「え?」
『夕焼けとおんなじ色しとる。』
ふふ、と笑ってそういえば、彼は、褒めてもなんも出らんよ、と照れくさそうに笑った。
ーーーーー
ふ「なぁ、」
『んー?』
ふ「...なんか、食べたいもんとかある?」
ふぉいくんがテーブルの向かいの椅子に座って、生真面目に私に尋ねる。
何だ急に...
『え、なに急に、毒でも混ぜんの?』
ふ「ちげぇわ!! ...今度、どっか行かねって言ってんの」
おっとこれはデートのお誘いか?
『じゃあ...』
そうして、インスタを操作してとあるスイーツビュッフェの画像を見せる。
『ここ行きたい』
ふ「またすげぇ女らしいの出てきたな」
可愛らしいピンクの皿とティーカップ、ケーキスタンドにのせられ、輝きを放つケーキ、ふわふわのソファーなど...
女の子らしく、可愛らしいピンク色の世界が広がっていた。
『ダメ...?』
ふ「うっ」
そう言われれば断ることなどできるわけがない、と彼女を心配するふぉいは思うが、当の本人は知る由もない。
ふ「わかった、行こう」
『ほんと!?やった!』
ふぉいくんが目の前で少し笑う。
珍しい、彼から誘ってくれるなど。
.
銀「A!!!!!」
『うおっ!!びっくりしたぁ』
ふぉいくんとの会話を終え、カレーの最後の仕込みに移ろうとルーを手に取った瞬間、背後から叫ばれて思わずそれを落とす。
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はな(プロフ) - ゆりりんさん» こちらこそありがとうございます!どんどん騒いじゃってください笑これからもよろしくお願いします(;_;) (2019年10月29日 16時) (レス) id: dc8bc131de (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - ありがとうございます!!騒いでしまいました(笑)(笑) これからも、更新ガンバって下さい! (2019年10月26日 23時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 生理ネタ、書いてほしいです!! (2019年7月27日 0時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!これからもがんばって書いていくので、よろしくお願いします! (2019年2月18日 17時) (レス) id: e48151f9dc (このIDを非表示/違反報告)
あお - 終わり方すごすぎ!まるのめっ↑ちゃキュンキュンしたんだけど マジこの作品好きだわー (2019年2月15日 19時) (レス) id: 66f0193b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年2月2日 18時