レペゼン地球のこっくさん Second

＊ ページ18

『久しぶりにこんな黒のやつ着たわぁ』
ふ「似合ってるじゃん」

彼女が嬉しそうににっこりと笑う。

ふ「そこ、椅子、座って」
『え、』
ふ「いいけん」

訝しげに座った彼女の白い足に、黒いハイヒールを合わせる。

『シンデレラみたい』

満面の笑みでそう言った彼女に思わず笑みが零れる。

ふ「じゃあ俺は王子様?」
『うーん、どちらかと言えばふぉいくんは魔女かな』
ふ「悔しいけどちょっと分かるわ」

アンクルストラップをぱちんと留めて、彼女の足を軽く叩く。

ふ「はい終わり。」
『わぁ、めっちゃ合っとる...』

鏡を見た途端、彼女の顔がふわりと明るくなる。

ふ「よし、じゃあそれで決定」
『え?』
ふ「すいません、それ全部下さい。あ、それそんまま着とって」
『う、うん。』

レジで会計を済ませて彼女に紙袋を渡す。

ふ「これ、今日の服」
『お会計は?』
ふ「もう済ませた」
『えぇ!?いくらだった?』
ふ「いい。大丈夫」
『でも、』
ふ「あーもううるせぇな!これは、プレゼント!」
『ま、まじ?後で請求しない?』
ふ「はぁ。ほら、いくぞ」

そうして彼女の腕を引く。

ふと気になって、彼女の顔をちらりとみる。
なんだその緩み切った顔、かわいいじゃん。

.

.

エレベーターのドアが開くと、窓の外に夜景が広がる。

ふ「はい、着きました。」

とあるホテルの高層階。
ここを教えてくれたあの鼻ニンニクには感謝してもしきれない。

『こ、こんなオシャレなところ、どうやって』
ふ「んー、企業秘密てやつやね!」

.

.


『ご馳走様でした』

深々と頭を下げる彼女に、どういたしまして、と声をかける。

午後3時に原宿駅集合
午後5時に服を買う。
午後7時にレストラン予約。

1週間かけて考えた予定は全てうまくいった。

予定立てて行動するなんて自分らしくないな、とつくづく思う。
でも、どうしても失敗できないから。

残る予定はあと一つ。


彼女を部屋に誘えるか


"ヤリチンニートで厨二病"なはずなのに、何故か緊張する。

というか、この前普通に手を出したのはどこのどいつだ。そう言い聞かせて彼女に声をかける。

ふ「A。部屋、予約してあるけん、Aが良かったら、その...」
『ふぉいくん』

Aが俺の手をとる。

『お腹痛いの?』
ふ「は?」
『いや、元気ないし』

あぁ、俺らしくねぇな

彼女の手を無理やり引いて部屋に向かう。

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