＊ ページ14
「A」
『はい』
「俺はね、お前には手出したくないとよ」
『なんでですか』
「なんでやろね、不思議だわぁ」
『とぼけないでください』
社「とぼけとらんよ」
グラスの氷が溶けて、からんと音を立てた。
社「Aのことが、本当に大事だけん」
その答えに胸が締め付けられて痛くなる。
『じゃあ、なんで』
また社長が指で氷を回し始める。
まるで、私から目をそらすかのように
私を、見ないように
「俺ヤリチンよ?Aにはもっと良い奴おるはず。とりあえず、Aは真面目でかっこよくて、優しい人を見つけーや」
はぁ、この人、何も分かってない
3杯目のグラスに口をつけたあと、テーブルにうつ伏せになる。
私も、彼をできるだけ見ないように。
酔っているのだろうか、泣きそうになるなんて。
あぁ、そうだ。きっと酔ってるんだろうな。
ならばいっその事、全部吐き出してしまおうか
『社長は私の事、なんも分かっとらん』
彼が固まるのが分かった。
『社長のそのふわふわの髪が好き。あと、いっつもライブの時はかっこいいし、動画編集してる時の真剣な顔も好き。私エルフの時からずっと社長のこと好きなんよ?社長はすぐそうやっていい人がいるとか言うけど、私にとってのいい人は社長なんよ。あー、好き。だから、だから...』
『私は、社長がいいとに』
その瞬間、腕を引かれて、社長の胸の中に引きずり込まれる。
社「A、」
彼の低い声が脳に響く。
社「俺も、お前がいい」
その言葉に驚いて顔を上げると、彼は慌ててがばっと私を遠ざけた。
社「あー、飲みすぎたかも...お会計お願いしま〜す」
『え、ちょ...』
席を離れてずんずんと歩いていく彼の背中を慌てて追いかける。
ドアを開けて、急いで階段を登り切ると、そこには複雑な表情をした彼が立っていた。
社「A、ごめん、さっきの忘れて」
そう言って彼は私の手を引いて駅の方へ歩き出す。
なんで、
忘れてって言うのに、なんでそんな顔するんですか
社長の手を振りほどく。
すると、彼は驚きを隠せない顔で振り向いた。
社「A...」
振り向いた社長の手を握る。
『帰りたくない、です』
少しの静寂の後、彼は私を胸からゆっくりと話し、私の両肩をに手を添えて話し始めた。
社「ほんとに、いいと」
彼の目がまっすぐと私を捕らえて離さない。
もう、逃げられない
私は静かに、ゆっくりと首を縦に振った。
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はな(プロフ) - ゆりりんさん» こちらこそありがとうございます！どんどん騒いじゃってください笑これからもよろしくお願いします(;_;) (2019年10月29日 16時) (
レス) id: dc8bc131de (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - ありがとうございます！！騒いでしまいました(笑)(笑) これからも、更新ガンバって下さい！ (2019年10月26日 23時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 生理ネタ、書いてほしいです！！ (2019年7月27日 0時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - あおさん» ありがとうございます!これからもがんばって書いていくので、よろしくお願いします! (2019年2月18日 17時) (レス) id: e48151f9dc (このIDを非表示/違反報告)
あお - 終わり方すごすぎ！まるのめっ↑ちゃキュンキュンしたんだけど マジこの作品好きだわー (2019年2月15日 19時) (レス) id: 66f0193b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2019年2月2日 18時
