【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ49)

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第98話ページ49

「君、真･帝国学園の生徒ね?」騒ぎに気付いた瞳子がやって来る。モヒカンの少年は私服であり、彼の正体に気付きようがなかった雷門イレブンは「え…!?」と瞳子を見た。

「そっちこそ遅いんじゃない? 人を偽のメールで呼び出しておいて、今頃現れるの?」瞳子に言われても少年はニヤリと笑うだけだ。状況が読み込めない円堂は「監督、偽のメールって…?」と訊ねた。

「そもそも、ここ愛媛まで私達を誘導した響木さんのメールが偽物だったの」

「えっ…」声を上げた円堂に「もう確認済みよ」と答える。何時間か前、響木からのメールに不信感を抱いた瞳子は電話で本人に確認していたのだった。

「すぐに分かるような嘘を何故吐いたの?」

「俺、不動明王ってんだけどさあ…俺の名前でメールしたらここまで来たのかよ。響木の名前を騙ったから、色々調べて愛媛まで来る気になったんだろ?」

瞳子の追及にも怯まず、不動は腕を組んで平然と答える。たしかに彼の言う通りで、「違うか?」と言われた瞳子は「そうね」と笑って返した。相手の心理を利用したこの手口からも、彼が頭脳派であることが伺える。

「で、あなたの狙いは何?」

「なあに、あんたらを真･帝国学園にご招待してやろうってのさ」

「あんた、鬼道有人だろ」不動は嫌な笑みを浮かべたまま鬼道に視線を移した。何故初対面の人間が俺の名前を知っているのか――鬼道は眉を顰める。

「うちにはさ、あんたにとってのスペシャルゲストがいるぜ」

「スペシャルゲスト?」

「ああ。嘗ての帝国学園のお仲間だよ」

「なにｯ…!?」

不動の口から出た衝撃的な言葉に、鬼道のポーカーフェイスは一瞬で崩れた。それを見た不動は一層笑みを深める。

「ありえない…。影山の汚さを身を以って知っている帝国学園イレブンが、あいつに従う筈がない…!!」鬼道は固く握った拳を振るわせた。脳裏に過るのは、フットボールフロンティア地区予選の決勝戦で何本もの鉄骨が天井から落ちてくる光景だった。

―――総帥! これがあなたのやり方ですか!!

死人が出てもおかしくない非道な手段に、帝国学園イレブンも驚愕した。もうそんな人間の下では戦えないと、鬼道達が影山と決別したのは円堂も隣にいたので知っていた。

「そうだ!! 絶対ありえない!!」「下手な嘘吐くんじゃねえよ!!」円堂と染岡も鬼道に同調するが、不動はそれを「はあ?」と鼻で笑った。