【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ39)

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第88話ページ39

ホイッスルが鳴り、吹雪のキックオフで試合が始まった。ボールを受けた染岡からパスを貰い、風丸が上がっていく。
それを見たデザームは、怪しく笑うと「戦闘…、開始!!」と手を前へ出した。それを合図に吹雪と染岡にそれぞれマークが付く。

「突っ込め、風丸!」

「いっけー!!」

このまま2人のどちらかにパスをしても、さすがに2人がかりのマークとなればボールを奪われてしまう可能性が高い。鬼道の指示を受けて風丸は攻め上がった。その後ろに土門と一之瀬も続く。

「皆速え…!」

ジェミニストームを破っただけあり、雷門イレブンはイプシロンのスピードに付いていけていた。フィールドを駆ける彼らの速さに木暮が思わず溢しているうちに、ケンビルとタイタンが風丸にスライディングで迫る。

「…ふｯ!!」

「飛んだ!?」

風丸が高く飛んで躱すと、それを目で追っていた木暮は顔を上げた。「さすがにジェミニストーム以上のスピードだな…!」イプシロンの速さを実感しながら塔子に渡したボールは鬼道へと繋がれる。

「ジェミニストーム戦の経験、ちゃんと活かされてるわね」

「はい! 敵の動きを見切ってますよ!」

「だけど、染岡君と吹雪君が完全に封じられているわ…」

夏未の言う通り、ボールは確実に繋がっていてもFWの2人はマークをされたままだった。ゼルとマキュアのプレッシャーを振り切った鬼道は土門にボールを渡す。

「打て、一之瀬!!」染岡と吹雪が封じられている今、ゴールを奪える可能性がある者は限られていた。このチャンスを無駄にしてはならないと土門は一之瀬にパスを出す。

「スピニング…シュ───ト!!」

回転する一之瀬から繰り出されたシュート技を、デザームは腕を組んで立ったままで動こうとしなかった。

「コンマ221秒で準備。打ち返せ」

「「ラジャー!!」」

彼の指示でケイソンとモールがシュートを打ち返す。

「なにｯ!?」「馬鹿な…!!」必殺技を使わずにシュートを止められたことに驚くのも束の間、2人が蹴り返したボールはシュートとなり、今度は雷門ゴールに襲い掛かる。
距離のある位置からのノーマルシュートにも拘わらず落ちない威力に、木暮は驚いて目を見開いた。

「塔子!! 壁山!!」

栗松と自身の間を突き抜けていったシュートを鬼道が振り返る。2人はザ･ウォールとザ･タワーで止めようと踏ん張るが、シュートによって砕け散り吹き飛ばされてしまった。