【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ20)

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第69話ページ20

ゴルレオからギグ、イオへと繋がれたボールを吹雪が奪う。彼は再びゴールへ向かうが、ガニメデのグラビテイションによって行く手を阻まれてしまった。
パンドラが隙をついて奪ったボールはリームに渡り、彼女は雷門ゴールへ攻め上がる。

「ザ･タワー!!」

しかしボールは塔子に奪われた。この試合で雷門にボールを奪われるのは何度目か、さすがのレーゼも驚きを隠せず「またか…!?」と溢す。

「こっちだ!!」ジェミニストーム側へ上がっていた染岡の要求に、塔子は彼へパスを出した。が、ガニメデのマークを振り切った吹雪がこれを奪う。

「ゴールを奪うんだろ? 俺に任せとけばいいんだよ!!」

染岡に呼ばれても止まる様子はない。自分勝手なプレーに染岡は彼を睨んだ。吹雪の事情を知っている如月は、何も言えず複雑な気持ちでその背中を見つめる。

「フォトンフラッシュ!!」

今度はカロンにボールを奪われてしまった。攻め上がる吹雪がボールを奪われるのはこれで2回目ということもあり、染岡は「決められなかったじゃねえか!! なに考えてんだよ!?」と苛立ちを隠せない。

「いいから見てろ! 本番はこれからだ」ゴールを決められなかったことを気にもせず、吹雪はボールを追いかけるように下がっていく。染岡はその背中を睨み付けた。

「(どうやって連携している…?)」

ボールを持つパンドラに鬼道と一之瀬が立ち塞がる。
鬼道は彼女を見つめるが、どこにも答えは書かれていない――そう思われたが、何かに気付いた一之瀬が「そうか…!」と声を上げた。

「フレイムダンス!!」

イオがパンドラからボールを受け取った瞬間、一之瀬は体をアクロバティックに回転させる。彼の周りを流れるように現れた炎は、イオを巻き込んで吹き飛ばした。

これまでの試合と比べて雷門のボール支配率が飛躍していることは明らかで、焦りを隠せないレーゼは「まただと…!? 馬鹿な……!!」と額に汗を滲ませる。
そんなことは露知らず、雷門イレブンは一之瀬のもとに駆け寄った。

「やったな! すごい技じゃないか」

「何故分かったんだ?」

「癖があるんだよ。パスを出す方向が分かるんだ」

鬼道に訊かれた一之瀬の返答に、塔子は「宇宙人にも癖があるんだ…!」と驚く。ジェミニストームの連携パターンを新たに発見したことで、雷門イレブンはこの試合に勝てるかもしれないと更なる希望を見出した。