【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ18)

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第67話ページ18

その後も吹雪の活躍は続き、ジェミニストームはシュートの機会を悉く手に入れることができずにいた。
得点は1対0で雷門イレブンがリードしているが、まだ前半であることを考慮すると油断できない状況だ。レーゼからリームへのパスを出させまいと、鬼道がリームの前に出た。

「我々のスピードに慣れてきたか。最低限の学習能力は持っていたようだな。…だが、ここまでだ!」

レーゼはニヤリと笑うとボールを後ろへ蹴った。それを拾ったパンドラにすぐさま鬼道と一之瀬がマークに付く。パンドラは唇を舌で舐める仕草を見せると、サイドにいるイオにボールを渡した。

「なんだ、このパターンは…!?」

今まで見なかった新しい攻撃パターンに鬼道は戸惑う。しかしその間にボールはレーゼへ渡っていた。回転がかかったボールが大きな力を纏っていく。

「アストロ、ブレイク!!」

ゴールまで距離のある位置からのシュートに、実況の角馬も驚きを隠せない。ゴールで構える円堂の前に塔子と壁山が立ちはだかった。

「ザ･タワー!!」「ザ･ウォール!!」2人が繰り出した必殺技は、アストロブレイクによって無惨にも打ち砕かれる。吹雪のエターナルブリザードの時のようにコースを逸らすこともできず、シュートは威力を保ってゴールに迫った。

「入れさせるか!! ――爆裂パンチ!!」

円堂は物凄い速さで何度もシュートに拳を叩き込む。しかし打ち勝つことはできず、ボールは円堂諸共ゴールに突き刺さってしまった。

「分かっただろう? 人間は、我々に勝てる筈がないのだ」

腹にシュートを喰らってその場に座り込んだ円堂をレーゼが見下ろす。1対1の同点で前半が終了した。

＊

「ちっくしょー!! あのシュート止められなかった!!」

「悔しいっス!!」

ハーフタイムを迎えた雷門ベンチでは、塔子と壁山が悔しさに拳を握っていた。数日間の特訓で確実にパワーアップしていてもアストロブレイクには敵わなかったのだから、2人の気持ちも一入だ。

「でも、あの二重のディフェンスとマジン･ザ･ハンドなら防げる筈だ! 三重なら鬼に金棒だろ?」

手応えがあったのか、円堂に焦っている様子はない。諺を使った彼に緑川を思い出し、如月は『そうだね』とどこか寂しそうに微笑んだ。

「吹雪君、シュートは解禁よ。後半はFWに上がって」

試合前、一之瀬の意見を聞きもしなかった瞳子の指示に吹雪は「え?」と気の抜けた声を漏らす。瞳子は「点を取りにいくわ」と続けた。