【イナズマイレブン】氷雪のエクリプス Ⅱ (ページ17)

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第66話ページ17

「ザ･タワー!!」

鬼道とアイコンタクトを取った塔子が、パンドラからボールを奪う。彼女が鬼道へパスしたボールは風丸に渡った。そこへ立ち塞がったカロンを、彼は疾風ダッシュで追い抜く。

「(このスピードだ! 風を感じる…!)」

傘美野中でのジェミニストーム戦では通用しなかった技で相手を突破できたことで、風丸は自身がスピードアップしていることを確信できたようだ。
「いけｯ、加澄!!」ボールは如月に渡る。彼女がボールの側面を蹴って回転をかけると、辺り一面にダイヤモンドダストが発生した。如月は氷を纏ったボールを高く蹴り上げる。

『アイスハイド!!』

追いかけるように高く飛び、身を翻して蹴り込んだボールはゴールを目掛けて一直線に放たれた。如月の着地を合図にダイヤモンドダストが消えていくと、ゴールラインを割ったボールが露わになる。

「ｯ……!!」

足下に転がってきたボールを見てゴルレオは瞳を震わせた。ああ、彼女の決意は本物だったのか――驚きのあまり声も出ないが、頬を伝う汗が彼の動揺を物語っている。
そんなゴルレオの様子には目もくれず、雷門イレブンは如月のもとに駆け寄った。

「やったー!!」

「ついにエイリア学園からゴールを奪ったぜ!!」

ベンチの音無は、雷門中が先取点を決めたことと如月のシュートを生で見られたことの2つの喜びで舞い上がる。興奮気味に「やりましたね!!」と木野に抱きついた。

「加澄すごいじゃん!」「強力なシュートだったぜ!!」口々に褒められ、如月は『ありがとう』と微笑む。
これまで余裕綽々としていたレーゼも、僅かに焦りを覗かせていた。それは彼以外のジェミニストームメンバーも同じで、彼らの間には歓喜する雷門イレブンとは反対に緊張感が漂う。

＊

リームのキックオフで試合が再開した。
ディアムからボールを受け取ったレーゼは猛スピードで上がっていく。しかしこれを視認できていた円堂は「右だ!!」と吹雪に伝えた。それを聞いた吹雪は「うん!」と頷いて駆け出す。

「アイスグランド!」

レーゼから見事にボールを奪いシュートを阻止した吹雪に、白恋イレブンから歓声が上がった。風丸と壁山は「やっぱりすごい!」「吹雪さんのスピードがなければ阻止できなかったっス!」と吹雪のスピード力の高さを改めて感じている。

「彼をDFにしたのはこのためだったんですね」

目金は横にいる瞳子を見た。その横顔は依然として固く厳しいが、かなり心強いものであるように思えた。